ほぼ足りてまだ欲 その先

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借りた本


 どうやら山中恒の「少国民」シリーズは全5巻+補巻の6冊あるようで、これに「少国民ノート」が2巻あり、全部で8冊で完結らしい。「日本の古本屋」で探すと全巻揃いで安くても11,000円くらい。山中恒の名前に既視感があったんだけれど、うちの書棚に一冊「子どもが<少国民>といわれたころ」という本があった。千葉の古本屋から472円で買った1982年の朝日選書である。妹尾河童の「少年H」に異議を申し出た「間違いだらけの少年H」は山中恒の著作で、当時の少年たちのほとんどは「皇国少年だったじゃないか、戦争に疑問を持っていたなんてことはないはずだ」という意味らしいので、読んでみたい。実は私は昔からの妹尾河童さんのファンで、ほとんど彼の著作は読んだ。だから、この本は何を云いたいのかわからなかったけれど、なんとなく胡散臭い気がして一切手にしてこなかった。
 なぜなのか、わが区の図書館にはこれがない。隣の区の図書館にあったので、予約する。なんで、ないんだろう。戦前の皇国民教育を痛烈に批判する山中恒が気に入らないのかな?しかし、それにしては「少国民」シリーズはほとんどありそうだ。

 山中恒の著作はあたまの中だけの記述ではなくて、本当に足を運んで得た真実を伝えているので、読んでいてもどんどん身体に入ってくるような気がする。ちょっと読み込みたくなってきた。

 先日の「煙草の金鵄」ってのはかつては「ゴールデン・バット」という名前だったのが、敵性用語であるというので、「金鵄」となったんだけれど、戦争が終わってまた元の「ゴールデン・バット」に戻って今に至るというわけだ。で、なんで「金鵄」と云う言葉にすぐに置き換えられたのかということだ。これは神武天皇東征の時に、土豪長髄彦(ながすねひこ)を討伐するに際し、天より舞い降りた金鵄が神武天皇の弓の先に留まり、眩しくて長髄彦がやられちゃったというので、しきりにこの金の鵄は登場したんだってんです。なるほどね、戦前教育を受けた人には当たり前の話なんで、懐かしく思い出すのか、苦々しく思い出すのか、それぞれの人間性に戻ってきちゃうんだろうなぁ。