ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

驚く

 地元の図書館になくて、隣区の図書館から借りだした。驚きました。なにに驚いたのかというと、分厚さと値段。800頁を優に超え、本体価格5,600円でございます。
 1999年5月の刊行でございます。当時なぜこの本を手にしなかったのか、ということですが、一番の動機というか不動動機というか、それは私が最初っから妹尾河童さんのファンだったからでしょう。なにしろ、「河童が覗いた」シリーズはインド、日本、ヨーロッパ、タクアンかじり歩き、50人の仕事場、おしゃべりを食べる、トイレまんだら、河童が語る舞台裏おもて、スケッチブック、手の内幕の内とほとんどを書架に持っている。何しろ最初の「河童が覗いたインド」の風葬の話に「やっぱりそうなのか」と舌を巻いたあたりからもう染まっておりました。
 で、初めての河童さんの「小説」でございます。ましてや、戦中の子どもたちの話でございますよ。すぐさま購入読みました。神戸のことですから、土地勘なんぞありませんが、そうか、そうなのかと読みました。そこへ、2年ちょっと経って「間違いだらけの・・」というタイトルの本が出たわけですね。なんだろうな、とは思いましたけれど、河童さんに対する私の気持ちは変わりませんでしたよ。ところがその辺から河童さんが表に出てこなくなりましたよねぇ。河童さんはご健在のご様子ですが、今年で91歳になるわけで、お目にかからなくなったのはそんなこともあるのかも知れませんねぇ、私は全く知りませんから推測でものをいっておりますが。
 私が山中恒さんのことを全く知らなかった、というか、ある著作本を読んでいながらそっちとこっちを結びつけることができませんでしたので、この本にたどり着きませんでしたが、とうとう「少国民」からここへ繋がりました。
 どうやら山中恒さんの書き出しを読むと、小学館児童出版文化賞野間児童文芸賞の審査委員を務めていたので、その候補作に上がってい「少年H」を読むことになって、自身の記憶と異なる部分をいくつも見つけてしまったことに端を発している。じっくり頁を繰ってみる。20年も遅れてやってきた爺さんの巻である。