ほぼ足りてまだ欲 その先

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布団

 2/16(火)にNHKが放送した「プロフェッショナル・誰にでもできることを、とことん~布団職人・新貝晃一郎~」を見た、(一度もお会いしたことがない)本の装丁家の方が、この布団屋さんのことを書いている。この布団屋さんは興津の人で、実は装丁家の方も清水に暮らした人である。布団づくりの職人の驚くべき丹念な仕事ぶりもさることながら、装丁家の方が、地元の人たちの言葉がとても懐かしいという。それで、慌ててNHKプラスで見た。言葉の端々に清水のイントネーションや、言葉尻が登場してきて、実に懐かしい。イントネーションは書き言葉で表すことができないのがもどかしい。
 肝心の布団づくりを見ていて、思いだしたことがある。驚くべきことにわが家では家族が寝る布団は全部おふくろが作ってきた。新しい布団綿が四角い形で、薄い紙に覆われて届いてきたのを思い出す。しかし、多分それは古い布団の綿を、布団屋に出して、打ち直した綿だったのだろう。あの時代にはきっとそうでもしないと、新しい綿なんてものは手に入らなかったのかも知れない。今まで忘れていた、そんな八畳間で縫われた布団のことを思い出した。考えてみるとあの時代の主婦だって忙しかったのだ。