ほぼ足りてまだ欲 その先

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五万キロ

f:id:nsw2072:20210310223004j:plain:w360:left トヨタは「クラウン」という車種の製造を終えるらしい。国内市場しかなくて、需要が頭打ちなのだそうだ。それはトヨタ自身の経営戦略だからなんちゅう話でもない。
 クラウンと云えば、かつてトヨペット・クラウンとして始まったような気がする。
 そしてトヨタの企業サイトによれば、「1956年4月30日、朝日新聞社の辻記者と土崎カメラマンは、トヨペット・クラウン・デラックスを運転してロンドンを出発した。これは、「ロンドン・東京5万キロ・ドライブ」と銘打った同社のイベントで、国産乗用車によるロンドン・東京間の走行状況を伝える連載記事のための企画であった」と書いてある。私はこの企画の本を読んだ記憶がある。1957年の刊行というのだけれど、その年私はまだ10歳で、小学三年生で、これを読んだとは思えない。一体、いつ、どこで本を入手して読んだのか、全く記憶がない。
 覚えているのはこの車を船でロンドンに運び、その荷揚げに立ち会った時に、現地の人間に、この車は一体いくらするんだと聴かれ、その金額を答えたら(いくらといったのかも覚えていない)、その英国人とおぼしき男が「フ〜ン、日本じゃ、車はその重量あたりの値段で売るのか」と云ったという下りだけだ。つまり、それほど重かったということか。これが確か、例の「観音開き」のトヨペット・クラウンだ。その後の東京までの苦労話を読んだはずだけれど、それはもう全く覚えていない。

 ひと頃東京のタクシーのほとんどが、クラウンかセドリックだった。そんなころ名古屋の新日鐵の工場に行こうとして、近所のタクシー会社へ行ったら、そこにある車が全部デボネアで、驚いたことがある。近所には三菱重工もあったからだ。