ほぼ足りてまだ欲 その先

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大丈夫なのか

f:id:nsw2072:20210309030045j:plain:w360:left 昨日電車の中で眠っていた30代前半とおぼしき青年がはいているのが、太もも部分や、臑の部分が大層汚れた作業ズボンだったから、現場が雨で早上がりになったんだと思った。
 ところが良く見ると、はいている靴もすっかり汚れていて、まるで一度どこかで泥まみれになったことがあるような汚れ方だった。それで、あれっ、と思った。ひょっとすると現場上がりじゃなくて、四六時中、この格好でいるんじゃないか。けれど、手にはスマホを持ったままだ。
 私如きの考えだったら、スマホを持っているのに、家が無い状態なのは考えられないけれど、そんなことはない。スマホを使いこなして生活していたんだけれど、この一年の間に、仕事を奪われ、生活拠点を奪われて、路上に出るしか方策がなくなってしまったのではないだろうか。今の不誠実を絵に描いたような社会のありようだったら、そういう状況に晒されてしまっている人たちの数は、ちょっとやそっとではなさそうだ。彼は斜めに布ザックをかけ、もうひとつ袋を脇に抱えている。これだけの荷物で、暮らしているんだろうか。ところが、これまでの典型的な家のない人に比べたら、明らかに大きく異なることがある。臭気がないのだ。昔良く出逢ったあの人たちの臭気がない。どこかでマメに身体を洗っているということだろうか。だとしたら、ただズボンと靴だけが着た切り雀なんだろうか。
 先日の初台のバス停で夜を徹して座って過ごしていた女性が殺された事件があったけれど、あれからこっち、もっともっと路上に追い出されてしまった人たちが増えているんじゃないだろうか。そんな状況に知らん顔をしながら、この国の国会は「個別の案件に」そして「仮定の問題に」コメントしないといって逃げる。