ほぼ足りてまだ欲 その先

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訃報

f:id:nsw2072:20210318031704j:plain:w360:left New YorkのMetropolitan Operaをここまでにしたのは彼のおかげと言われた指揮者のJames Lawrence Levineが今月9日にカリフォルニアのパーム・スプリングスで他界したと、一斉に報じられました。有名な話は日本文化研究者だったドナルド・キーンが彼が来るまでMetropolitanのオーケストラは酷いものだったと書いているというものでした。
 独特な風貌で、非常に印象の深いユダヤ系のレヴァインは正にMetropolitanの顔だったといっても良いでしょうね。しかし、晩年は2006年にステージで倒れて以来、あちこち健康問題が続出。腰の手術を重ねていて、復帰したのは2013年5月。しかし、オーケストラピットでは立っていられないので、特別な椅子を装備して、それに座ったまま聴衆にも挨拶をし、指揮をした。
 私にとって忘れられないのは、2013年10月4日に、初めて訪れたMetropolitan Operaの演目がモーツアルトの「Così fan tutte」で、レヴァインが現れるやいなや、聴衆はスタンディング・オベーションでした。あまりの聴衆のウェルカムに驚いたものでした。それくらい彼はMetropolitan Operaのファンに支持されていたのです。
 ところが2017年の年末に、レヴァインによって少年期に性的虐待を受けたと告発した人が現れ、Metropolitanはレヴァインを外し、翌年3月証拠が出たとして、彼を解雇しました。それ以来、全く彼の噂を私は聞くことがありませんでした。それでも、Metropolitan Opera Shopは彼のCDを棚に並べてはおりましたねぇ。
 77歳だったそうですが、死因は公表されていませんし、発表が遅くなったことについての説明もなされていません。

 そうそう、Metropolitan Operaといえば昨年の大ヒット、ジョージ・ガーシュインの「Porgy And Bess」の三枚組CDが今年のグラミーのBest Opera Recordingをとったと云って、大騒ぎでございます。それにしても随分狭い分野の部門賞があるんですねぇ。