ほぼ足りてまだ欲 その先

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槇有恒

 マナスル初登頂で知られる槇有恒は、その31年前、1925年にカナダのMount Albertaを初登頂している。昨日のテレビ「世界遺産」で見るとまるでノコギリの歯を埋め込んだような岩山で両側が絶壁である。そもそもこんな形状の山に登ろうとすることを意図する気持ちが理解できない。怖いに違いない。やめた方が賢明なくらいだ。
 しかも彼は山頂に細川護立侯爵から預かった銀のピッケルを刺して残してきたという。なんでまたそんなことをしたんだろうか。下るときにこそピッケルがいるんじゃないかと思った。のちにこの山を登頂したアメリカ人のクライマーがそのピッケルを持ち帰り、まごうことなく、槇有恒たちが登頂したことが証明されたというのだ。アジアの小国からやってきた小さな連中にそんなことが可能だったのかという疑問を見事に払拭したというのだった。時代は世界大戦の戦間期であり、安定した時期だったのではないか。