ほぼ足りてまだ欲 その先

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師匠、ご乱心

え〜っとわたくしは、三遊亭圓丈が好きではありませんでした。
つうか、おおよそ、新作が好きじゃなかった、という方が正しいかと思いますが、それくらい保守的だったんでございますね。
なにしろ、あの頃の子どもですから、ハゲで出っ歯の三遊亭金馬のラジオで落語を覚えましたから、新作なんて聞いたことがなかったんでございますね。
ですから、テレビが家に来てからのあの爆笑王といわれた林家三平なんかも、ぐっと笑いを堪えて「♪よっしコォさァ〜ん、こっち向いてぇ〜、良いじゃないのさぁ、なぜ逃げるのさぁ」なんかを馬鹿にしていたわけでございますね。
 だから、円丈なんて(なんだ、こいつは!)と思っていたわけですが、この本は面白いよぉ〜!

 三遊亭圓生といえば、泣く子も黙るてぇもんでございますよ。
女に手が早いったって、あの時代ですから、文句をいう奴もおりませんです。
一番弟子の円楽ってぇのがおりました。
なんとも不器用そうな、顔の長い、私にいわせると実にぶざまな噺家ですよ。
周囲のヨイショであぁなったんでしょうけれど、聴きたいと思ったことが一度もない。
口調も悪いし、日頃稽古なんぞしなかったんじゃないかと思うくらいだ。
しかし、圓生にとっては一番弟子、大好きな弟子だったらしい。圓生は円楽には「さん」付で呼んでいたと円丈は悔しそうだ。

圓生が小さんが十人いっぺんに真打にしたことから落語協会から脱退。
あれはびっくりしましたが、真打乱造には私は反対だったけれど、あれから、立川流圓楽一門が飛び出て、変なことになりました。
今でも圓生圓楽亡き後、談志亡き後、いまだに合流かないませんが、もうそろそろ良いような気がしないではありませんねぇ。
円丈も死んでしまいましたし、権太郎、さん喬、雲助、一朝、市馬、馬生あたりがどうにかするわけにはいかないのかなぁ。

ま、いづれにしろ、こんな面白い本だったとは思わなかった。