ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

惜しい

 今更なんだよ、といわれるけれど古今亭志ん朝のことだったりしてね。
志ん朝が死んでからそろそろ21年になる。
なんとまだ63歳だった。
若いなんてもんじゃない。
噺家で63歳といったらこれからだ。
最後に聞いたのは、多分国立演芸場だろう。
不覚なことに、私は途中で寝たらしい。
当時、池袋から東武線で志木まで通ってきたから疲れていたのかもしれない。
しかし、国立演芸場だったんだから、昼だよね。

男っぷりが良くて、口調が良くて、声が良い。
よくないところが見つからない。
場が艶やかになる。
愛宕山」の一八なんぞ聞いたら、あぁ、もう自分ではやりたくないな、とこっちを思わせる。
多分若い噺家連中だって、そう思っただろう。

圓生の分裂騒ぎがなかったらもっと長生きしたかもしれない。
先代小さん会長の「十人一度に真打」がよくなかった。
圓生の頑固さ、自分以外は下手っクソ意識も良くない。
そりゃ志ん朝だって、下手も上手もいっぺんに真打昇進は納得できないだろう。
そりゃわかる。
当時、落語ファンはみんなそう思っただろう。
芸術協会じゃないんだから、あいつもこいつもいっぺんだはダメだなと。
あの騒動で一柳は後遺症的に亡くなった。

レバ・タラはダメだが、あの分裂騒ぎがなかったら、今の落語界はどうなっていただろう。
それを見たかったなぁ。

高校時代の高座名