ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

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朝のうちは結構涼しい風が吹いていてこりゃ良いやと思って油断していたら、午後になって、また元に戻る。
エアコンをかける。

雑誌の自炊を続ける。
 多分池之端の「古書ほうろう」で入手した「思想の科学 No.130と131」は「占領期の思想の記録」となっていて、古本屋の値付けは二冊組で千円と鉛筆書きしてある。
131のインタビュイーの二人目は江成常夫で、こんなところに彼が登場していたことに驚いた。
江成常夫は1936年10月生まれ。
終戦時はまだ8歳で、国民学校2年生。
中学を卒業してから、養成工として東芝鶴見工場に入社。のちに工業高校の夜間に通い出す。
進学を目指すようになり、川崎市立橘高校定時制に転校。
1957年3月に卒業すると同時に東芝を退社して、東京経済大に入学。
1962年に東経大を卒業して毎日新聞に入る。
当時としてはさほど珍しいケースではないだろう。
1974年に毎日新聞社を退社してフリーになった。
ニューヨークに滞在して「ニューヨークの百家族」という写真集を出した。

私が江成常夫の名前を知ったのは、多分、「戦争花嫁」がキーワードになっている。
豪州で何人もの「戦争花嫁」の人たちがいるのを知った頃で、多分恵比寿の東京都写真博物館で江成の個展を見たかなんかのきっかけだっただろうと思う。
91人の戦争花嫁をカリフォルニアで1978年に取材した「花嫁のアメリカ」に私は間に合っていなくて、入手したのはその文庫本だった。
そこには全員が掲載されておらず80人に絞られていた。
江成の取材の面白いところは1998年にもう一度彼らを取材したことだ。
その時に出版された「花嫁のアメリカ 歳月の風景 1978-1998」は大型本の写真集でなかなか紐解くチャンスがないが、開いてみると、右側に19778-9年の取材時の写真が掲載されていて、左側に1998年の取材時の写真が掲載されている。
今年の初めにはこの両方の書籍を合本したものが出版されているのだそうだ。
こういう追跡調査的な取材は本当に興味深い。