ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

渋谷

 先日、ローソングループの成城石井のウェブ・サイトを見ていたら、超大型店というのがあって、それが先日行った調布店も流石にそうだけれど、池尻大橋にもあるというんだね。地下鉄で行かれるから、行ってみようと出かけた。246号の大通りに面してある。しかし思ったほどの広さではない。それでも魚を売っていて旨そうなお寿司も売っているところは調布の店とも一緒だ。蟹も売っていたが、これはうちの近所でいいじゃないか、ってんですが、その横で調理した魚惣菜も売っていて、サバの照り焼きを思わず買ってしまった。これを見た瞬間、そうだ冷蔵庫に昨日買った一個68円のおにぎりがあったと思い出したからだ。

 帰りは246号に面しているんだから渋谷までバスに乗ればいいや、と発想。道元坂上から高速道路沿いに渋谷に降る。

 東急プラザの前でバスを降りて、あぁ良かった東急プラザは残っていると思ったんだけれど、あとはもうハチャメチャというか、工事現場を追い立てられるように歩くような気分だ。駅を通り抜け、昔の東横線の下に出たら、多くの人たちがエスカレーターで上っていく。宮益坂を上がりたい私はどうしたら良いのかわからない。地上は「この先通り抜けられません」と書かれたところへ来てしまい、そこへいた警備員のおじさんに「あの坂を上がりたい」といったら、そのエスカレーターで上ってあのビルの中を抜けなさいという。あぁ、それでみんなエスカレーターに乗るのかと、ここでようやく理解。Hikarieという昔できたばかりの頃何回か入ったことがあるビルに行く。あれは一体いつのことだったろうか。

 裏へ抜けようとすると、おぉそうだ、前に空山画伯の個展を見に来たことを思い出したのに、なんとやっぱりそのビルももはや解体されて工事中だった。ひょっとするとこの街は建てては壊し、建てては壊しと繰り返しているんじゃないかと思ったくらい(嘘、嘘!)。なんでこんなところを歩いているのかというと、山田帽子店の角を入った先にあるパン屋さん「Pain Au Sourire」のことをFacebookで見たからだった。同じ大学の出身者らしい。お店の中はちょうど昼飯時で、若い女性たちでごった返していた。幸いカンパーニュがあったからそれだけ買う。高いのに驚く。流石におしゃれな都会で働く女性たちは高級なんだなぁ。

 気を取り直して角の山田帽子店に入ると、キャスケットがズラッと並んでいて、手にしようとするとご主人らしき人が来て、これは6枚ハギでアイルランドのものだ、とか、こっちは頭を大きく作ってあるけれどオリジナルなんだと説明を始めた。被ってみると、良いんだけれど、生地が薄めでこれまで被った来たものに比べると心もとなくもある。「もう残り物なんでね、値段だってこうですぜ」とついている値札を見せる。えっ!と驚くようなお安い価格がついている。一も二もなく飛びつくようにして買ってしまう。いやいや、念の為と思って入ってよかった!こんな値段のキャスケットに遭遇するとは思わなかった。どういうからくりか知らないが、銀座のあの帽子屋に比べたら三分の一なのだ。

 意気揚々とバスに乗ろうとするが、唯一通りかかる新橋行きはあと10分ちょっと待たなくてはならない。ならばやっぱり歩いて地下鉄に乗ろう、なにしろ午後3時半には歯医者の約束がある。表参道の駅へ向かう。そういえば国連のビルの横にある子どもの城のビルはそのまま建っている。どうなっているんだろうか。1985年に建ってから老朽化だといってたった30年で2015年に閉鎖してしまった。2029年に周辺と一緒に再開発するんだといって、改修して利用する案もぶっ潰してしまった。これこそ行政の大失敗じゃないのか。原子力発電所なんて、40年の寿命を曲げてまで、60年動かすんだなんていっているっていうのに。あんな危険な設備を延命するという電力会社の不誠実さは目に余る。

 そういえば、私は今まで青山学院大の構内に入ったことがないなぁ。東大だって、東工大だって、慶應義塾(ここは女子校まで入ったことがある)、早稲田、明治、中央(今はなき御茶ノ水だけれど)、明治学院大、法政大、上智大、あたりは曲がりなりにも入ったことはある。そういえば、周りに青学に通った人は友人の奥さんの姉妹くらいかな。あんまり縁がない。

 家に帰ってサバの照り焼きで思った通りの昼飯を食べて、歯医者へ行く。今後まめに歯医者へ通って、メンテしてくださいね、これからは加齢でこれ以上悪くならないように、それしかありませんと歯医者にいわれて、あぁ、そうか、もう永いこと駆使してきたんだものなぁ、と夕暮れ時に、人生の夕暮れを自覚する。