ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ゴスペル

2014年製作/作品時間56分
撮影地:日本・アメリ
製作国:日本
監督:松永大司
ゴスペルにハマる日本人と、日本人の「信仰なきゴスペル」に戸惑う黒人たちの本音に迫ったドキュメンタリー。ブームが起きて30年。日本の音楽シーンに根付いたゴスペルだが、ゴスペルを歌う日本人の9割以上が非キリスト教徒だ。にもかかわらず彼らは、歌の中で神を賛美し祈りを捧げる。米国のゴスペルシンガーは「理解できない」とあきれ顔を見せ、日本人のゴスペル講師は「マス・コーラスという一つの音楽形態に落とし込んで、宗教色を出さない」と割り切る。クリスチャンではない者がゴスペルを歌う。その矛盾に悩む人、まったく気にしない人、キリスト教に入信する人……さまざまな人間模様とともに、日本人とゴスペルの微妙な関係を追究した。

50分のショート・ドキュメント
やっぱりここに疑問を持っていた人はいたんだと、ホッとした。
亀渕友香はこのあと2017年に63歳に一ヶ月足りない時点で他界した。
だいたい、彼女自身がどうなんだろうと検索したことがあって、その時に彼女が受洗していることを知って、納得した。

アフリカン・アメリカンバプティスト派の教会で主にゴスペルが歌われる。しかし、本当の彼らの礼拝にいったことがないから、実際のところは私も知らない。しかし、マンハッタンではゴスペルが歌われる礼拝はハーレムではなくても、近年は盛大に行われていた。COVID-19以降のことは知らない。かつてのミュージカルが公演されていた古い劇場を買い取ってそこを教会として礼拝があるらしい。観光客をウェルカムしていて、日本人観光客もいっているんだと、当の本人から聴いたことがある。平塚から来たという二組の夫婦と同じホテルになったことがあって、月曜日の朝食で隣のテーブルになった。自分たちもゴスペルを歌っていて、そのゴスペル礼拝にいって大変に感動したんだという。それで、平塚ではどこの教会なんですか?とお伺いしたら、いえ、私たちは教会ではありませんといった。それでそこから先は教会の話はしなかった。

 継続的にイベントの司会を請け負っていた頃、ステージにゴスペルグループというのが上がった。多分「Oh Happy Days」を含む何曲かを歌ったんだと思う。ステージ終わりにいつものようにインタビューをした。そこでいつもはどこの教会で歌っておられるんですか?とお伺いしたら、そこで白〜い雰囲気が当たり一面に立ち込めて(見えるわけじゃないけれど)、凍りついた。その方は「センセ〜!」遠くの方に呼びかけたら、女性が立ちあがって「特に教会では歌っていません・・・」と。そそくさと、インタビューが終わった。
 「自分の中に矛盾を感じる」という人はまだしも「マスコーラスで歌えば元気をもらえますし、聴いている人にも元気が波及すればいい」とまさにハッビーな人もいる。

 日本人は多分自分を無宗教だと思っている人が大半だろう。とはいえ、日常的には仏教が染み付いていて、思わずご飯を食べるときにも手を合わせる。それでも、なんで手を合わせるのかしらない人もいる。外国人が日本人に対して手を合わせる人もいる。アジア人にはそうするんだと思っている可能性がある。それでも別に日本人は何もいわない。「いただきます」も「ごちそうさま」も仏教的思想から来ている。でも、それを意識する人は少ない。
 「Oh Happy Days」はとても単純な歌詞で、「イエスがわが罪を洗い流してくれた、なんていい日だ」ってだけだ。ずっと繰り返しそれを歌っている。聴いているのは誰でも大歓迎だろうけれど、歌う人は心からハレルヤを唱えていてほしい気がするんだよね。


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