ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

風冷たく

筋雲が風の強さを表す寒い昼下がり


 とても寒い。風が冷たい。歩く気がしない。ちょっとだけ。

 唐突な話だけれど、作家の村松友視という人は千駄ヶ谷で生まれたが、戦後は祖母に下清水で育てられ、八幡様の裏に暮らしたという。そのくせ、中学は静岡の城内中学で、そこから静高、慶応義塾大という、まぁ、静岡、清水あたりでのいわゆる一流コースなのである。彼も作家らしい作家というわけではないのは、編集者だったからだろう。「私、プロレスの味方です」がベストセラーになって作家の道に入ってきたんだそうだ。私は小説を読まないし、プロレスも力道山で停ってしまったほうだから、彼が書いたものは全く読んだことがない。しかし、この「だけん、人はいいだよ。駿河ピープル物語」静岡新聞社 1999という本があると聞いて、ずっとどんな本なのか気になっていた。
 そうか、静岡の人だったのかと思っていたんだが、良く読むと清水で育ったとあり、静岡県社会人体育文化協会の機関紙「TOMO」に1995年3月-1999年2月に連載されていたものの集成本だという。巻末には元NHKのアナウンサーだった山川静夫との対談が掲載されているが、山川はなんと静岡浅間神社の神主の息子だという。よくもまぁ、静岡弁特有の語尾の訛りが出なかったもんだ。1933年2月の生まれで、今年卒寿にならんとするが、山川は2000年に脳梗塞を病んでいたそうだが、全然知らなかった。
 しばらくこの本にかかりっきりになりそうなんだけれど、もうちょい詳しく書けよ、と思うあたりで毎回終わりになってしまう。多分村松友視は岡小学校の卒業生だろう。桜橋の自転車預り所に毎朝自転車を預けては静鉄で学校へ通ったと書いているが、私も村松に遅れること7年後に同じように自転車をおばさんに預けて柚木まで静鉄に乗っていく生活を一年間やった。その頃も一日10円で一ヶ月300円を袋に入れておばさんに渡したものだった。