ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

勝鬨橋を渡る

まだほんの一部分だけですが、蔵前神社のミモザが開花しました。

 例の「ここが私の東京」を読んでいたからではないけれど、そういえばもう随分勝鬨橋を歩いたことがないなぁとふと思った。
たぶん最後に歩いたのは、まだ多くの展示会が「東京国際見本市会場」と呼ばれていた晴海で開かれていた頃のことで、1990年代中頃のことだったろう。
あの頃はあの辺りは陸の孤島で、銀座から都営バスで行くか、竹芝から船くらい。
なにしろ展示会がないときは、都営アパートがあるだけだから、ろくに人も歩いてはいなかった。
会期中は各展示会の主催者が都バスをチャーターして東京駅からバス便があったりしたけれど、準備期間、撤収期間に行くのには往生した。
仕込みが遅くなってもうバスなんて来ないよ、となった時には、タクシーが来ないかと振り返りながらとうとう銀座まで歩いてしまうのは何度もあった。
 勝鬨橋が最後に可動したのは1970年11月29日だというから、まだ私は学生だった。三島由紀夫が市ヶ谷で果てたのが11月25日だ。もうこれで勝どきは上がりません、となったことについては全く何も記憶にない。チャラチャラしていたから、覚えていないのだろうけれど、あの橋が上がったところに遭遇したことはなかったように思う。遭遇してみたいなと思ったことはある。一度上がると20分は待たされたらしい。今でも川下側の西詰に「かちどき 橋の資料館」というのがある。

毎週火曜日・木曜日・金曜日・土曜日
 9時30分~16時30分 (12月29日~1月3日を除く)
 (12月1日~2月28日までは、9時~16時)
入場無料

竣工は1940年6月14日だというんだから、隅田川の他の橋に比べると随分と新しい。国指定重要文化財だというのでそれでサビだらけなのがわかった。やたらとメンテしちゃいけないんじゃないの?(ウソ、ウソ)
橋梁製作は横河橋梁・川崎車輌・東京石川島造船所(川崎車輌はなんで?川重の子会社だから?)

 勝鬨橋から上流の右岸を見ると、右側が聖路加タワー。超高級有料老人ホームが入っていることで有名。しかし、なんで聖公会の病院がこんなスノッビーな病院で、こんな鼻持ちならない施設を経営しているんだろうって、(まぁまぁ、抑えて、抑えて)。
 で、左の茶色いビルなんである。ビルの上に「住友生命」と書いてある。住友生命東京本社が入っていたらしいが、住友生命は東京本社を八重洲にできた東京ミッドタウン八重洲へ今週末に移転するそうだ。となると、このあとはどうなるんだろうか。
 このビルが竣工したのは1985年末で、この年は忘れられない事件がたくさんあった。御巣鷹山墜落もこの年だ。忘れられないというのは私が企業広報を担当していて、マスコミとの付き合いが結構頻繁にあったので、ことさらそう思うのかもしれない。

 「丹下健三氏の設計による「旧電通本社ビル(電通築地ビル)」(地上13階、高さ60.312m、1967年5月竣工)など4棟の電通関連のビルが解体」と報じられてからもう何年も経つのに、一向に更地になったという話は聞かないし、買い取った住友不動産はどうするつもりなんだろうかとは思うけれど、どうせまたこの手のディベロッパーはガンガンと高層ビルを建てて、あっちにいたテナントを引きずり込んでわぁわぁやるわけね。ま、アパホテルとやっていることはおんなじ。
 昔働いていた会社が電通を使って再起を図ろうとしたことがあって、その片棒を担いでなんでこの会社でこんなことをやっているんだろうと、悩みながらも日々を送ったことがある。その再起イベントの総集編を終えて、このビルの上の階でパーティーが開かれたことがある。あの会社は世間的にもよく知られた人たちの子弟がたくさんいて、あの人はどこそこの誰々の息子なんてのがゴロゴロいた。

 その解体工事のための白い仮囲いの羽目が「HIGASHIGINZAアート・ギャラリー」ってことになっていて、地元の各小学校の児童たちの絵に挟まって、中央区在住の画伯の江戸火消しの絵が並んでいる。京橋の鮨屋の四代目で、今店は次男坊が継いでいる。祝橋の公園には公園の喫煙所にしては驚くほど大きなものがあって、ちょうど昼飯時だったからか、人だかりがしている。その先の花山といううどん屋にはブロックを超えた長蛇の列ができていて、斜向かいの小諸そばは可哀想だなと思ったらこっちも中はごった返している。歌舞伎座の横のとおりにも行列ができているお店があるが、何やなのかくたびれたので見に行かなかった。何しろこの辺を見るときは概ね日曜日だったから、ガラガラのときしか知らない。確か、この花山といううどん屋があったところにはハンバーグ屋があったんじゃなかったかなぁ。

 大分歩いたので、右足のふくらはぎが痛い。下手すると明け方にこむら返りを起こしそうだ。


 バート・バカラック死す。94歳。