咳は止まらないけれど、食欲も止まらない。
目が覚めるとゴホゴホと咳をしながらテレビを点け、オリンピックを探し、なにか食べ物を探す。
そしてそれが理由のように、咳止めの薬を飲んで、また寝る、という実に生産性のない生活を送る。
尿意を催して、また目が覚めるというわけで、寝られても一度にはほぼ2時間半くらいにしか過ぎない。
本が読めないのが辛い。
柔道は混合決勝でフランスに負けた。阿部一二三も負けた。
世界で最も柔道人口が多いのはブラジルで200万人もおり、次がフランスで53万人、日本はわずかに12万人だというんだから、むべなるかな、である。驚くべきことにフランスの混合団体に出てきた選手、男子3名、女子3名はすべてアフリカ系フランス人だった。これからもブラジル、フランス天下は揺るがないだろう。
携帯していた老眼鏡
いつもバッグの中に入れっぱなしにしていた老眼鏡が見当たらない。どこかに置き忘れてきた可能性がある。多分最後に使ったのは税関だ。日本の税関は今でも税務申告書というのを書いて出せという。今でもそんな書類を要求する国があるんだろうか。あまり行ったことがないので知らない。かつては日本に到着する飛行機の中でキャビン・アテンダントが用紙を配ってくれたものだが、今ではそんなのは見たこともない。慌ててそのへんのテーブルに老眼鏡を出してなぐり書きしたから、その時にテーブルに忘れてきた可能性がある。教文館で買った安いけれど、4+位の強いやつで、ケースの中に長年使ってきたペンと一緒に入れていたので、ペンごとなくなった。
甚だ残念だった。
残念だったといえばウィーンのからくり時計の前にあった、豊富な品ぞろえで、見ているだけでも楽しくて、ついつい鉄ペンの万年筆を買ってしまう文房具屋も、とうとう廃業のやむなきに至ったようで、これも大変に残念だ。しかし、とうとう鉄ペンを取り出す機会もほぼなくなってしまった。