
三井客船(現在の商船三井クルーズ)の「にっぽん丸」が引退したそうだ。売却先は決まっていないと報じられている。姉妹船の「ふじ丸」とともに、M重工が建造した船。MOが発注する時期に私は当時いわゆる造船6社の一つの会社で営業をやっていたので、しょっちゅうMOの工務部に出かけては、客船受注に営業していた。なにしろMOとくれば当然三井系のつながりもあって、そっちの造船会社が強いんだろうと思われるんだけれど、こっちも他事業部が荷主としての立場があったから、しつこく絡んでいた。ある日、帰り際に大きなテーブルに広げられている「一般配置図」があって、「えっ!」と思って目を凝らすと、作図者のところにM重工の名前があった。つまり、もうすでにそこまで話が広がっていたということだった。だったらだったでもう無駄だといってほしかったよねぇ。すっかり力が抜け落ちてしまった。なんでこんな事になったんだろうと思っていたけれど、当時、M重工は自動車部門を別会社として手放した頃で、財政上は非常に有利な立場に立っているとは噂されていた。後で知った受注金額を聞いて、そりゃそっちに発注するよねぇ、とがっくりした。その後もM重工はあっちのフェリーでもぶつかって、超安値で持っていったことを想い出す。その延長線上だったのか、その後クルーズ客船を受注したM重工は建造中の火災で大損害を計上。クルーズ船から足を洗った。今、クルーズ船はヴェニスの某社、あるいはドイツの某社がもっぱらだ。
そういえば飲み友達にMO客船の乗組の人がいて、一度晴海で見せてもらったことがあった。あの人、どうしているだろうか。ご健在だったらもう84-5歳かな。