ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

感動

実は欧州にいるので、これを書いている時点ではまだ5日になっておらず4日の出来事を書いている。
さまざまな本をみるとブリュッセルアール・ヌーボー建築を見ずして語るなかれといっても良い書かれ方をしている。だからその見物を多いに楽しみにやってきて、古い建物が残されている街を堪能しようと思っていた。なにしろ私の国では毎年毎年あちこちで建物が壊され、これでもか、これでもかと古いものはぶち壊されて行ってしまうのが当たり前で、残されている建物というものは結果的に「取り残されて」いるという方が正しい可能性が高い。
本や、ガイドブックを見渡すと、どこにどんな建物が残っているのかというのはわかる。アール・ヌーボー建築はウィーンのオットー・ワーグナーを初めとして、大きな、公的施設が残っているのでわかりやすく見やすいのだけれど、それにひきかえ、ブリュッセルでは個人の邸宅だったものがとてもたくさんあって、ルイーズ通りの周りのあちこちに残っている。しかし、今でもやっぱり個人の持ち物であったり、現役のオフィスとして機能していたりして中が見られるものはとても限られている。そのひとつが「ヴィクトール・オルター邸宅」だ。大人ひとりにつき7.00ユーロ(60歳以上は3.50ユーロ)の入場料で「これでもか、これでもか」というアール・ヌーボー邸宅を堪能することができる。ただし、全く写真撮影は許されていない。この国のアール・ヌーボー建築については多くの書籍が出版されているけれど、日本語よりも他言語の方が多く出ていそうだ。
実は「ホテル・ターセル」だった建物も見に行ったのだけれど、やっぱり事務所として使われていて中は全く見られなかった。ところが偶然中から女性が出てきて、何の気なしに「ここで働いているのか?」と聞くとそうだといい、「こんなところをオフィスにして働く人は羨ましい限りだ」というと、写真はダメだけれど2秒間だけだったら中を見せてあげるといってくれた。まさか2秒で終わるわけはないけれど、中に入ると、奥の中庭まで見通せる廊下はそれはそれは優雅にアール・ヌーボー装飾が事務所を飾っている。そういえば多くのこうした建築が必ず後ろに緑豊かな庭を見通せるのが素晴らしい。
たまたま偶然に昨日と今日はロンドン・シンフォニー・オーケストラとロンドン・シンフォニー・コーラスが演奏会を行っている。昨日は「オテロ」のコンサートに行ってしまったので、今日はこちら。ドビュッシーの「ノクターン」を実に繊細に迫力を持って楽しませてくれた。昨年からのにわかクラッシック・ファンにすぎないけれど、この類を生で聞くとやっぱりとても素晴らしい。すごい遺産を人間は残してきたんだと改めて感動。
Schiedmayerのグロッケンシュピールが演奏され、なんと9本ものホルンがズラッと並び、パーカッショニストも5-6人が居並び、ステージせましとオーケストラが並んで素晴らしい景観でもあったのだ。