ほぼ足りてまだ欲 その先

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ひとつの法に二つの資格?

「毎日新聞6月18日付」の記事だけれど、

心理カウンセラー:
法案、「二つの資格」盛る−−医療心理師臨床心理士
 心理カウンセラーの国家資格化について、医療現場で活動する「医療心理師(仮称)」と、職場を限定しない「臨床心理士(仮称)」の二つの国家資格を作ることを内容とした法案が、超党派議員立法で今国会に提出される見通しになった。国家資格化を目指す二つの議員連盟の代表が17日、自民党本部で会談し、二つの資格を含む法案の一本化に合意した。

としてある。超党派議員立法だってんだから、時間が切れなければそのまま提出されて法案となるということ?
これは例のいわく付き、心理臨床学会文科省がくっついている認定協会の民間資格を国家試験にしてしまうというわけ。一方医療心理士(師なの?)は本来的な管轄であるべきはずの厚労省がなんとしても文科省がこの分野を管轄するというおかしな状態を打破しなくてはならなかったはずのもの。
 ひとつの法の中で二つの資格を規定するってんだけれど、よく見ると、

 医療心理師は大学学部卒で医療現場に限定する一方、臨床心理士は大学院修士課程の修了を前提とし、職場を限定されず学校カウンセラーなどとして働く。資格試験を行う団体は二つできる見通し。

ってんだから、これって何も解決されていない。しかも、臨床心理士はこれまで通りに(多分)認定された大学院を卒業しないと受験資格が取れなかったりして、しかも職場は限定されないんだから、学校に限られているわけではない。だったら、なんで文部科学省傘下になければならないのか。今までの姿と全く変わっていない。つまり既得権益をそのままにしただけ。さすが文化庁長官で「心のノート」を官が気に入るようにお作り遊ばした方が旗を振るだけのことはある。あの「にっこり」と京都弁で一億国民がみんな騙されちゃう。
 しかも、医療心理師はとみれば、学部卒にすぎず、しかも活動現場は医療現場に限定。どうみても医療現場においての立場としては医者、看護師といったところからは一段低く見られるであろうことは容易に想像がつく。ヒエラルキーを打破できる立場にはならない。これまで延々と語られてきた現場での根本的問題点を政策現場は全く理解しようとはしていないと云うことである。
 そのうえ、臨床心理士はその医療現場にだってどんどん入っていくことができるのに対して、医療心理師は逆の意味での業務独占。非常に限られた職場に押し込められてしまうと云うことである。勝負は文科省文化庁長官、認定協会の明確な大勝利である。
 これ、おかしくない?