ほぼ足りてまだ欲 その先

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春日井市の市議補選

 愛知県春日井市で市議会議員の補欠選挙が2006年5月28日にあった。立候補者は4人。投票率はわずかに31.7%という低いものであった。しかも白票などの無効票が投票総数の約1割にものぼったという話もある。これは異常な無効票の数である。トップ当選は民主党の水野よしひこ。三人の定数に対し、立候補者はわずかに4名であった。なぜか。告示の9〜4日前に生じた市議の欠員2を反映せず、そのまま告示してしまい、告示翌日に被選挙数を1から3へ訂正し、そのまま投開票に踏み切ったのだという。

当選人 水野よしひこ 民主党 30,642票、政木りか 無所属 16,294名、安藤もりゆき 無所属 14,302名
落選 石割三千雄 無所属 5,257名

定数1のところにもう4名も立候補する意向を示しているんじゃ、これから立候補したって当選するのはなかなか難しいよなぁ、と諦めた市民が何人もいた可能性はもちろんあるし、この選挙はなかったことにして、もう一回、という話になってもおかしくない。愛知県選挙管理委員会はこの選挙を無効とした。
しかし、ここでトップ当選した水野議員、そして2位当選を果たした政木議員が選挙の無効に対して、「立候補者に過失がない上、市民が投じた貴重な票が無駄になるのは問題」として「選挙無効の裁決取り消しを求める訴訟」を起こした。春日井市議の任期は来年4月30日まで。任期満了の6カ月前である10月30日までに選挙無効が確定しなければ、再選挙は実施されないことになっていたが、10月12日に名古屋高裁が判決をくだし、満田明彦裁判長は「定数の訂正は選挙結果に影響を及ぼす恐れがあったと認められ、選挙は無効とされるべきだ」として水野議員の請求を棄却した。水野市議は判決を不服として最高裁に上告する方針。となれば当然10月30日までに最高裁の判決が下るなんてことは考えられない。総務省選挙部管理課は「10月31日以降に無効判決が確定した場合、当選市議は失職するが、欠員のまま次回選挙を実施する形となる」と説明(北陸中日新聞20060628 中日新聞20061012から)。