ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

善光寺・戸隠神社

 これまで善光寺には何回来ただろうか。若い頃にも何回か来ているはずなんだけれど、それはもうほとんど覚えていない。最近ではバス・ツアーでも来ていたけれど、門前の一番前までは行ったことがない。今回は本堂の裏にある駐車場に車を止めた。ここの駐車場には本当に日本中から来た車で一杯。福岡ナンバーまでいる。今は山門が特別に公開されているようで人の列ができている。特別拝観料500円と書いてある。ここのお寺さんは宗旨がないと聞いているけれど、こうしたことで収入を得て成り立っているんだろうか。


 

 ここの門前に「藤屋」という味のある建物のレストランがあるという話を先日ツアーでご一緒した方から教えていただいた。とにかくそれを見に行こうということで門前に廻るとあいにくとこの日は結婚披露宴があってレストランは営業していなかった。こうしたことが結構あるらしいので、週末に来るのは禁物なんだけれど日程の関係で仕方なかった。いつになったらここで食事ができる日が来るんだろう。表には「御本陣藤屋旅館」と表示されている。この辺のお店は軒並みきれいになっていて全国からやってくる参詣客でいかににぎわっているのかがわかろうというものだ。
 宿坊も両脇に並んでいて、それぞれが味のある建物で、中にはバスツアーのランチどころになっているところもある。善光寺ご参詣+宿坊での精進料理ランチという訳か。
 ここでお昼をいただけなかったので、どこかで食べてしまうのももったいないのでとにかく戸隠にのぼろうと方針転換。カー・ナヴィゲーターのいうがままに善光寺の後ろに控える山に登っていく。これが長野市内を一望にするとても良い景色の道だった。そこから七曲がりというくねくね道を上る。樹脂の波板を屋根にいただき、脇は網が張ってあって周囲がよく見えないけれど、これが見えていたら相当に怖そうだ。ここからそのまま戸隠バードラインに入ると、お〜、これが今年の5月にやって来たあの道だ。
 戸隠神社の中社に至る道も両脇に宿坊が並んでいる。中社本殿の先の駐車場に車を止めて、本殿から本殿前の急な、まるで愛宕山の階段を下る。降りて左方面に行くと「うずら家」という小作りな二階建てのお蕎麦やさんの前に、20人近くの人たちが道路の両脇に座っている。順番を待っている人たちなんだそうで、きっとなにかそれだけの人を引きつけるものがあるんだろう。なにしろ時間は既に2時近くなのだ。
 私たちは友人の紹介で、その先の「徳善院蕎麦極意」というお蕎麦やさんにはいる。盛りを一枚、「渓(たに)ご膳」なる蕎麦定食、そしてかき揚げ天ぷらを注文。とても細い蕎麦できれいに盛ってある。量的にはちょっと物足りない程度だけれど、私たちだったらこれで充分だ。
 先日水芭蕉を見に来た奥社まで行く。先日は水芭蕉を見て歩くだけで時間を使い果たした。今度はその奥社を極めようというわけだけれど、門をくぐってすぐに後悔をする。入ってすぐのところに小さい道標に「奥社 あと1900m」と書いてあるのだ。え!?そんなに距離があるの!知らなかった・・。そうかといって、すぐに引き返すわけにはいかない。途中で後悔の念はどんどん高まるのだけれど、ここで引き返せない。そのうちに建物が見えてくる。あぁ、あれがそうかも知れないなぁと期待が高まる。しかし、それはもう一つの立派な門で、その先はそれはそれは立派な、500mほど続く杉並木である。その間ずうーっとだらだらと上り坂が続いている。杉並木を通り過ぎるとそこからはより斜度が増した階段になる。これは結構きつい。雨が降り続けるかも知れないと思って持っていたこうもり傘が杖代わりに役に立つ。最後に曲がってひときわきつい階段を上るとそこが奥社だった。それまでの1.9kmの参道に比べるとずいぶんと質素な社殿だけれど、鉄筋である。多分それほど古くない時期に建て直したのではないだろうか。この雰囲気なら白木のままの社殿だったら良かったのにと思わないではない。
 奥社の社殿の前になぜか忍者の格好をした外国人男性が数名。何をしているんだろう。
 帰り道は途中から隣の森林植物園に入ってこちらを下る。ここは5月に辺り一面に咲き誇る水芭蕉を見にやってきた。その水芭蕉の葉は驚くほど大きなものになっていてびっくりするほどだった。花はアザミや赤い小さな実をたくさんつけるものが見えているくらいで、他は鬱蒼とした木々の緑である。
 高速道路を一気に走って戻ってくるが、これだけ寒いので鍋でも食べようと、小諸でスーパーに入って材料を買い入れ、カインズ・ホームに寄ってストーブの木を燃やす着火剤を買って帰路を急ぐ。21時まで開いている「あぐりの湯」に寄って久しぶりに夜の露天風呂に入る。さすがに土曜日なので子ども連れが多くて落ち着かない。寒い寒い。ストーブを焚きながら鍋を食う。これじゃまるで冬だ。