ほぼ足りてまだ欲 その先

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タンニン

 NHKの総合テレビの「世界一周!地球に触れるエコ大紀行」がベネズエラギアナ高地でエンジェル・フォールという世界最長の滝(標高差978m)を目指していた。そこに至る道はまず4時間掛けて船で川をさかのぼるところから始まり、その限界点から歩く。その川の水が上流に上がってくると色が琥珀色になる。やはりこの川もタンニンがしみ出してこの色になるのだろう。
 日本では全くこんな色の川を見ることがないから、どんなに説明をしてもわかってもらえなかった。私がタンニンがしみ出した川を最初に見たのは1995年のクリスマス。豪州・タスマニアホバートの街中を流れる川だった。全く自らの目を疑うようなショックだった。試しに持っていたルアーのスプーンを投げ入れてみると、しっかりと認識できるのだから濁っているのではなくて、透き通った琥珀色、まさにウィスキーの色だった。それからタスマニアに行くたびにこのタンニンがしみ出した川をあちこちで見かけたものだ。特にCradle Mountainsに行ってDove Lakeの周囲をハイキングしたときに見たのはそんな水が泡立つ状況だった。そんな綺麗な水がなぜ水が落ち込むところで泡立つのか。汚染されているのか。あたかも多摩川の堰で洗剤成分が泡立つかの如くであった。ガイドに説明されてようやく理解ができたのは、あの地域ではタンニンがしみ出しているだけではなくて、Tea Treeから油分も沁みだしているのだった。このTea Tree Oilは豪州ではエッセンスを瓶に詰めて売っている。風呂にほんの一滴落としても良いし、アロマ・オイルとしても使える。
 当時、パソコン通信で在豪、在日の人たちと繋がっていた。ブリスベンにいる人にタスマニアの川の水を説明したが実際に彼は見ていないどころか、自分の知らないことを人から初めて聞くのは耐えられないという面白い性格の人だったから、ネット上では全く認めてくれなかった。私がガセを流しているという扱いに終始していた。彼がこの番組を見ていたら良いのに、と思うけれど、きっと今でも彼はブリスベンに暮らしていて見ないだろうと思うと残念だ。