ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

テレビ

昨日の「サンデープロジェクト

 昨日はいつもと違って出かけたので、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」を見損なった。番組の最初に「雇用のあり方を問う・労働問題のスペシャリスト4人が徹底討論」として團野久茂連合副事務局長、人材教育派遣会社「ザ・アール」社長・奥谷禮子森永卓郎獨協大学教授、城繁幸・人事コンサルティング会社「Joe's Labo」代表の名前が挙がっていたので、興味深いなぁと思ったけれど、後ろ髪を引かれながら出かけた。
 何とかのひとつ覚えで「企業が日本から出て行ったらどうするんだ」の繰り返しの奥谷を呼んでくるテレビ朝日の不見識さ、そして田原が福島瑞穂と同様に無視しようとする森永を組み合わせることのどうしようもない発想は真剣にこの問題を取り上げようという気がないと(私に)いわれても仕方ない。先週のように丹羽を連れてきて訳のわかっていないことをまたいうのかも知れない、そう思いながら、それを糾弾するチャンスを失ったことがちょっと心残りだ。
 財部がきっと「悪いのは企業ではなくて、そんな法制を造った政治だ」というすり替えをまた繰り返したのだろうか。そんな金にしか眼のない与党自民党がそうした企業団体からの要求に唯々諾々と尻尾を振りながら従った結果がこれではなかったか。

NNNドキュメント’09」

 日本テレビNNNドキュメント’09は「派遣切り・ネットカフェ難民5」でディレクターはこれまでこの番組枠でネットカフェ難民を追いかけ続けてきた水島宏明である。年末の日産ディーゼルを切られた派遣社員を追いかけ、彼らの身分保全闘争と年末から正月にかけての「派遣村」をルポ。前橋から自転車で駆けつけた58歳の男性が取り上げられる。派遣できられた男性がなけなしの5000円を握りしめて山形へ帰っていく。手も足も出ない現状を笑うしかない。

TBS・小林多喜二

 そのままチャンネルをTBSに回すと北海道放送制作「平成20年度文化庁芸術祭大賞受賞作品「いのちの記憶—小林多喜二・二十九年の人生」が始まっていた。昨年の5月に放映された番組のようだけれど、国家に抹殺された小林多喜二を綴った鮮烈なまでのプロテスト番組が国家によって賞を与えられることの最大限の皮肉なんだろうかというのが、見終わってから調べた感想かなぁ。
 労働者派遣法によって作り上げられた製造業界における派遣システムがあからさまな労働者からの搾取を如実に表し、プロテストに対する反応として官憲がこれをあからさまに蹴ちらかしを始めている現実が存在する一方で、多喜二を語ることに対し授賞することの不気味さはどうだ。
 番組中にシカゴ大学のノーマ・フィールド教授が欲しがる気持ちが戦争を引き起こすと語っていたのが印象的だった。「小林多喜二—21世紀にどう読むか」を岩波新書から出したばかりだそうだ。佐高信のコメントと共に私たちが今ここで諦めたらどんどんあの道を邁進していきそうな状況に考えが及び、怖ろしさに駆られる。