ほぼ足りてまだ欲 その先

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赤プリ

 赤坂プリンスホテル(今の正式名称はグランドプリンスホテル赤坂)が来年3月で閉館するそうだ。そういえばもう25-6年、あのホテルに入っていない。多分あのタワーが建ってから入ったことがあるのはたった2回だろう。あのタワーは建ってから27年経っている。たった27年で老朽化というのはどういうことか。構造的な問題なのか。そんな筈はないだろう。内装の改装を含めたメンテが何も出来なかったということなんだろうか。機械周りのメンテに掛けるだけの収益が上がらなかったということか。
 初めてあのホテルに入ったのは1971年のことだっただろうか。社会人になってからのことだと思う。3年先輩の結婚披露宴だったのではないだろうか。その後3-4人の友人・先輩方の結婚披露宴があのホテルであって、その司会までやったことがある。当時はもちろんあのタワーは建っていなくて、そうしたパーティーが旧館で開かれた。タワーが建っているところには多分プールがあったと記憶している。夏になると、都心のあんなところのプールで泳いでいた人たちがいたということだ。今でこそ都心まっただ中だけれど、当時の私にとっては赤坂見附までは行くけれど、そこから坂を上がろうという気にはならなかった。車で行く人たちにとってはなんていうこともなかったかも知れないけれど、わが家に車なんて洒落たものはなかった。
 タワーが出来てから、ある友達の結婚パーティーがあそこであって、そのあと、彼等が泊まるというタワーの高層の部屋に上がったことがある。部屋の中は真っ白な部屋作りで、真っ白い革張りのソファーがやたら浮ついて様子だったのが印象にある。それでもあそこからの夜景は大変な非日常的景色だった。
 プリンス系のホテルはどこもホテルそのものには苦戦しているんじゃないだろうか。ラス・ベガス的というか、ディズニィー・ランド的というか、安い素材を使って映画のセットのような作りといったらいいのか、そんな上っ滑りな雰囲気がバカにされているように感じるのが好きじゃなかった。そんなんだったらいっそのこともっともっと日常的景色で充分だといいたくなるのは私のへそが曲がっているからに相違ない。
 ホテルというのは不思議なもので、構わないでいてくれる気楽さもあるけれど、その逆に丁寧に接して欲しいという欲求も感じる。特に長い滞在をしている時にフロントが、今初めて会ったというような取りなしだったら、多分良い印象を持たないだろう。しかし、そんなことをいったってどうせ格安の宿泊施設にしか泊まったりしないんだから論評する立場にはいないってことか。