ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

早口の医者

 熱を出して寝てから3週間が経って、未だに痰が絡んで咳が止まらなくて、困っていると一週間ごとに行っている医者に云いに行ったら、まるで喘息のような気管の音がすると云うから、うんうん、昔は喘息持ちで、吸入剤を持たされていたものさ、と云ったら、これですかと引き出しから出して見せたから、そうそうそれだよと云ったら、なぁる程という顔をした。
 おかしなもので、喘息なんてものはもうずっと昔に、仕事を辞めると一緒に雲散霧消したとばかり思っていたんだけれど、なんかのきっかけで、こうして出てきてしまうというわけなんだろうか。
 仕事を辞めた時にとても嬉しかったのは、何年も何年も喘息が出なかったことだった。喘息という奴は悲しいもので、夜に発作が出ると、咳き込んで苦しくて眠れなくなり、明け方になってようやく寝付くというものだから、朝になって見るとなんということもない。だから、職場の人間にどんなに説明をしても、全くわかってはもらえなくて、「あぁ、そうなの、そりゃ大変だね、じゃね」と如何にもこっちが仮病を使っているような対応をされてしまったものだ。それでなくても、最後の職場はとんでもない環境だったから辞めて本当にホッとした。だからなのか、自分のやりたいことを手にすることができたからなのか、その後はめっきり発作が出ることがなくなったのだ。
 しかし、あれからもう既に12年が経ってみて、その間に今回を含めて、3回だけ咳に苦しむ。それでもかつてに較べたら、格段の差、というか、驚くほどの少なさである。
 あ、そうそう、早口の医者が声を潜めて話す時はますます聴き取れない。