ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

一人旅

 久しぶりにひとりで旅行に出ている。仕事を辞めて以来、旅行には必ず二人でいっていたので、とても久しぶりな気持ちがする。現役時代の出張というのはほとんどひとりだったので、あの頃以来なのかもしれない。あとは海外での学会にひとりで参加したくらいだろう。
 一人旅をしていると下手をすると言葉を口にする必要が極端に少なくなってしまう。やろうとしていること、行こうとしている先を説明しなくても良いし、質問に答えることもなくなってしまうからだ。いやいや、旅先で第三者に話すことがあるだろうということになるけれど、今時はどこに行っても省力化されていて、結果話す相手は切符の券売機だったり、入場券の券売機だったりして何も口にしなくて済んでしまう。
 年齢を重ねた人たちがコーラスに参加したり、グループ活動に参加するのはそういう点で意味があるんだと、だんだん分かる様になってくる。若いときには全くわからなかったことがこの歳になると合点が行く様になる。人間の知恵なんて、大したことがなかったのだとわかる。いろいろなことがわかる様になってきたときには先がそんなにある訳じゃない、という現実は考えさせる。
 身体が動かなくなってきてみると、なにが面倒なのかもわかるけれど、わかった時にはもう自分の身体が動かなくなっているのだ。