前回よりも今回の方が雪深く感じるけれど、雪そのものは重い。
夜中に目が醒めたからテレビをつけたら男子フィギュアをやっていた。羽生まで我慢して待った。するとコロン、コロンと転がったから可哀想で見ていられなかったからやめた。ところがtwitterを流していたら、彼が金メダルを取ったことを知った。彼以上にライバルが転けたらしい。
世の中にはそんなことがある。自分だって上手くいっていないのに、周りがどんどんうまくいかなくて、気がついたら自分が恵まれた状況にいるなんてことが。こんな時はどんな態度をとって良いのか、とても戸惑うんだよなぁ。
昨日の晩は例年通り、国立演芸場にいって馬生一門とその仲間たちの「鹿芝居」を見た。大体金曜日だけにある夜の回は客が入らないッてぇのに昨日はその上雪だ。人が来るわけがない。新宿の集まりが予定を超えてしまったものだから慌てて大江戸線で青山一丁目に出て、半蔵門線で永田町へ。260円。
森ビルのエスカレーターがある、と思って永田町で降りたのに、これが停まっていて、階段を下りた。あとで聞いたらエレベーターがあったのだ。最高裁判所の裏口の信号なんて待たなくたって車は殆ど来やしない。
案の定客席は半分も埋まっていない。悲しいくらいの入りだ。この雪だ、しょうがない。
- 前座:円丈門下、わん丈(本名:延川 煕龍)さむれぇか坊主みてぇな名前。
- 馬治:強情灸
- 馬楽:長屋の花見
- 世之介と菊春:あいかわらずのヨノ&ハル
- 正雀:『お富与三郎』「木更津見染め」
- 馬生:『お富与三郎』「赤間の仕返し」
- 獅子舞:世之介 菊春
- 《大喜利 鹿芝居》「与話情浮名横櫛」〜 源氏店 〜 脚本=竹の家すゞめ
この趣向はなかなか良い。なにしろこの二人で前を振るんだから、期待が高まる・・・ところまでは行かないけれど、おもしろい。
今日が四日目だってんだけれど、途中で多左衛門の世之介が得意の団十郎の物まねでなんかいったら、そこから馬楽も馬生も笑い出しちまって、そこがまた笑いを誘う。世之介、飛んだ台詞を団十郎で誤魔化す。
「お富与三郎」の話はここから先がまだまだあって、なかなかそれを聴けるチャンスというのはないけれど、昔は先代の馬生が島抜けをやっているのを聴いた記憶がある。こういう長い話をじっくりと聴かせて貰いたいものだけれど、どうもなかなかチャンスがない。牡丹灯籠やら真景累ヶ淵なんてものは一生に一度生で聴けるか聴けないかだろうなぁ。
そうそう、前座の駒松が昨年に引き続いて獅子舞の振り回しを良くやっていた。前の席にいたおねえさんがご祝儀を口に入れて上げたら、おっことした。それを中から手を出して拾った。「あ、手が出た!」といったら、あいつ、即座に「ベロでございます!」といったね。