ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

渋谷

 昨日は久しぶりに渋谷へ行った。といっても先月、映画「何を怖れる」を見に渋谷シネパレスに来たことがあったが、つれあいはもう5-6年来ていないといっている。
 昼飯は渋谷に行く前に三州屋銀座一丁目店に行こうと。久しぶりに海鮮丼。さすがに冬は海鮮丼、刺身定食はあんまり売れていなくて、フライ定食、鰺フライ定食、鰤の照り焼き定食なんてところがぽんぽん発注される。二つの海鮮丼のうちひとつはご飯を少なくといったはずなんだけれど、おばさん、最近耳が遠いものだから、逆にひとつが大盛りになってやってきちゃった。その上、今日は珍しくウニが載っていない。鯛の刺身がねっとりしていて旨かった。でも、ちょっと食い過ぎだ。
 渋谷は東急本店に向かっていって、角の道を左へ曲がって、円山町のラブホ街の中を上がっていく。すると右に、正にラブホの隣に渋谷ユーロスペースという映画館が3階に入ったビルがある。ここは昔の恵比寿シネマ方式で、来た順に切符に整理番号がはいっていてそれが入場順になっているという奴。心配するまでもなく、入場時間には14-5人くらいしきゃ人はいなかった。あとから入ってきたお爺さんがさっき、東急百貨店のトイレですれ違った人だった。
 映画は「みんなのアムステルダム国立美術館へ」で、配給は渋谷ユーロスペースアムステルダムにある、レンブラントの「夜警」やフェルメールの「手紙を読む青衣の女」を収蔵している美術館。この美術館の改修が計画されるんだけれど、この美術館は昔から自転車が突き抜けて通れる構造になっていた。改修計画を発表すると自転車が通りにくくなっているじゃないかと、自転車利用者がクレームをつけ、あぁでもない、こうでもないと大議論になる。当時の館長はとうとう最後に「辞める」といってもう家族との時間を犠牲にすることを辞める、ウィーンに引っ越す、といって辞職。次の館長はずっと我慢して議論に対応するけれど、なかなか独善的なんである。
 美術館の展示室の内壁の色も、デザイン側の主張を論拠もなく簡単に蹴散らす。するとこの映画はデザイン側の口もそのまま取り上げるのだ。アジア展示の担当者だけが、金剛力士像にぞっこんの様子が微笑ましい。それら仏像系のために日本から仏僧を呼んで法要を行った様子には驚いた。
 円山町のひと山そっくりラブホやライブハウスで、トコトン怪しい雰囲気がそのまま残り、東急へ行く通りの宣伝看板だらけの目がちかちかするのも久しぶりだとやや疲れたのだった。