ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

永遠に続く

 「いったい何時まで謝れば気が済むんだ!」というのが歴史修正主義者の常套文句になっている。いや、確かに、大日本帝国は中国に侵入して、傀儡国家を作ったりしたよ!朝鮮半島や台湾を我が物にして、統治者面していろいろなことをしたよ!仏領インドシナや、マラヤに行って我が物顔したよ!戦争で捕虜にした敵の連中をこき使ったりしたよ!
 確かにやった!否定のしようはない。しかし、あれからもう何十年って経っているんだよ!?二度も時の内閣が、あんなことやっちゃってごめんね、許して頂戴ねっていったじゃないの。賠償だってしたじゃん。もういいだろ?いい加減にしろよ!と啖呵を切り始めたわけだ。
 まるで落語の「大工調べ」じゃねぇんだから。「なんだ?八百文足りねぇだけで、道具箱、渡しちゃくれねぇってのか!そんなものはあたぼうだってんだ!ごうつく大家!」って啖呵と一緒だろ。
 この落語、昔から理不尽な話だと思っていた。なぜって、家賃を払わねぇ与太郎が悪い。なのに、きちんと耳を揃えていないで借金のかたに取り上げられていた道具箱を返してくれっていう方が悪い。だのに、立て板に水の啖呵を切ってお白洲に訴え出て、大岡越前は質の鑑札を持っていないのに金のかたに道具箱を預かったのは違反だと逆ねじを喰わせて、大団円ということになる。
 「反省」はするけれど、謝るのはもう被りごめんだ!という姿勢を取りだした。そりゃ、怒るよ。「いやぁ、家賃溜めちゃうのはよろしくねぇやなぁ」というんだけれど、大家に向かって「べらぼうめぇ〜」といっているんである。これじゃ、町内の厄介者ではあるけれど、尊敬は集められないね。まるで河豚にあたってしんじゃった「駱駝」みてぇなやつじゃねぇか。
 いろいろなことをやっちまったんだ、いつまでも、あのことは謝り続けなくちゃならんのよ。それほどのことをしたのよ。
 アメリカの日系アメリカ人はあの戦争が始まった翌年の2月に、一世だけでなしに、アメリカ生まれの立派なアメリカ人である二世も含めて強制収容所バラックに放り込まれた。アメリカ政府は後に、謝り、賠償をした。今でも、全米日系人博物館には当時のバラックを再現展示してあるし、マンザーナの収容所跡地は博物館になっている。そして日系米国人市民連合は今でもあの時のことを忘れてはならないと、活動をしている。
 忘れてはならないのだ。それが歴史なのだから。

追記

 これを書いてから、気がついたのだけれど、先週あたりに共同通信村上春樹のインタビューを配信していて、その中で村上春樹は「相手がもう良いですよというまで謝るしかない」といっているのだそうだ。
 ところがNHKの委員を辞めた百田が「そんなこといってもノーベル賞を貰えないと思うよ」とか「それなら村上春樹が韓国へ行って謝ったら良い」とツイッターで反論したと、書かれている。
 百田のお粗末振りはきわまる。籾井も百田と一緒に辞めてくれ。

また追記

木走正水がこんなことを書いています。(2015年04月23日 12:55)

次期ノーベル賞候補作家村上春樹氏が展開する見事な国際マーケティング戦略です。ノーベル賞を睨んでインターナショナルな支持を獲得しつつ、かつ本の売上にも直結させる。うむ、完璧なストラテジー&タクティクス(意味不明?)であります。

 つまり百田と同じ判断ですね。こういうことをいうと、だれがどんな真摯な気持ちでなにをいっても、政府に楯を突くのはみんなそういう輩だ、という言い方ができちゃうわけで、実に卑怯でございますね。何しろ彼は村上も大江健三郎も、みんな売名行為でこうした発言をしているんだといっているわけでございますから、なにをか況んやでございます。
 この論法で行きますと、かつてのベトナムに平和を市民連合鶴見俊輔やら、小田実やら、はたまた宇都宮健児やら、みんな売名行為な訳なんでございましょう。(政治家なんて売名だけで高報酬を得ているってことですが。)