ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

国道6号線

 福島県国道6号線といえば浜通りを南北に貫いている幹線国道で、確か今でも車の通過には止まってはならないとされている区間があるという。そもそもこの国道を開通したときに多くの論議を呼んでいたことを覚えている。
 その国道6号線の沿線にゴミが散らかっているから、これを掃除しようという提案があって地元の中高生らを含めた約1440人が今年の10月10日にボランティア活動としてゴミ拾いをしたそうだ。「避難区域となっている浪江町富岡町の区域は、大人が作業した」ということで、その車は止まってはいけないとされているほどの汚染地区も掃除したようだ。
 これを聞いてすぐさま思ったのは、もう既に福島県内の放射能汚染はそこまで解決されているということなのか、という疑問だった。そんなわけないだろうと。チェルノブイリの話を聞いたって、福島があれより簡単な状況なはずがないじゃないか。なにしろ今だってメルトスルーしてしまった核燃料がどうなっているのかわからないというのに、こんな危険を冒してどうするんだろう。浪江や富岡まで実施したといっているけれど、その区間を担当した大人だって平気なわけがない。
 フリーランスの報道記者・フォトグラファー:烏賀陽弘道(2015年01月22日 08時00分)

 2014年9月15日に、突如「開通」した。別に汚染が劇的に減ったからではない。区間内の平均空間放射線量は毎時3.8マイクロシーベルト。最大値は毎時17.3マイクロシーベルト原発がある大熊町)あった。相変わらず高線量である。原発内外の除染作業が本格化して、人員や物資の輸送が劇的に増えたので、その便宜のために無理に道路を通したにすぎない。

 こんなところなのだ。にもかかわらず、今や福島県もまるでちょっとした事件があっただけの印象しか感じられない日常になっている。一生懸命みんなで忘れようとしているかのように思う。気がつかない振りをしているように思える。甲状腺ガンの子どもの数も、臨時国会すら開かない内閣はまったく触れもしないし、NHKのニュースも本当のことは云っていないみたいだ。
 もう忘れちゃって良いのかい?

「あったあった、ここにも」。10月10日、今は原発事故の収束拠点となっているサッカー施設「Jヴィレッジ」(広野町楢葉町)にほど近い国道6号の歩道沿い。
 マスクを着け軍手をはめた一団が草むらから火箸でごみを拾い上げ、ポリ袋に次々と入れた。ペットボトルに空き缶、菓子箱にビニールひも、さらには看板のようなものまで。(産経新聞 2015年11月24日(火)10時35分配信)

 福島第一原子力発電所からJヴィレッジといったら直線でほぼ20km強といったところだろうか。