奈良の事件に懲りて子どもに声をかけると刑事罰、という条例を作ろうという動きがあるという。それでなくてもここ最近の風潮として、知らない人と言葉を交わすんじゃないというのが当然となりつつあるのを感じる。
実は恥ずかしながら私が住んでいる高層アパートでは、学校に出かけようとする小学生にエレベーターで出会った時に「おはよう！」というと何も云わない小学生が増えているのである。そりゃもちろん私の外観が怪しくて骨柄人品が怪しいことは認めるしかないが、それでも自分が暮らすアパートのエレベーターで、真夜中じゃない、朝日がキラキラ輝く中なんだから、「おはようございます」くらいの反応はしておくれよ、と泣き叫びたい位のものだ。これから先、もう子どもは近所の高齢者を敬愛するなんてことは出来なくなるんだろうなぁ。
村上陽一郎先生の話じゃないが、私の国にはかつての共同体が崩れ落ちてしまった後のコミュニティが創られることがない、というのが現状だろう。宗教観のない私の国では一回切れてしまったもやいはなかなかつながることはない。
