ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

国立演芸場

 8月の演芸場というのは暑くて人が足を運ばないのだろうか、日曜日だというのに平気で当日券が買える状態で、多分7-8割の入りというところだろうか。
 前座は古今亭志ん坊で太田道灌。「なんです、このお盆の上に載っているカレーライスみてえのは」ってのは無理があるな。「山吹の枝」はそんな風には見えないもの。
 昨日馬生の会にも顔を出していた馬吉が高座に上がるとなんだか急に大人になったような気がする。湯屋番を途中まで。若旦那にもうちょっと艶っぽさが欲しい。彼が「今日は青砥から来た」と云ったことから始まって出演者がこれをキーワードに枕を振るようになる。
 今日のマギー隆司は前回の釣り竿じゃなかった。お客に引かせたカードを、他の客に球を投げさせて色を決めてその色の封筒から出したカードと一致させるという、手の込んだ、見え見えインチキ手品は楽しいのだけれど、この前も見たかも。
 隅田川馬石本所吾妻橋に住んでいるんだとつなげる。金明竹。馬石がいうには三代目の馬石は志ん生が一時期、といってもほんの一ヶ月ほど、名乗っていたことがあるんだそうで、彼の師匠は五街道雲助。去年真打ち昇進組。「中橋の加賀屋佐吉からの使い」の関西訛りがずいぶんとどうがいっていると思っていたら、どうやら彼は関西の出身らしい。雰囲気が良くて、顔で話を進めることができるのが才能。
 笑組(えぐみ)は以前にもここで見ている。私は好き。「低温の油で揚げている天ぷらのような拍手、ありがとうございました」は気に入ったなぁ。
 柳家喜多八は「おすわどん」で私はこの噺はこれまで聞いたことがなかったのだけれど、まるで荒井注のような雰囲気で枕を振り始める喜多八はこの噺を結構得意にしているらしい。「おそばうどん」が「おすわどん」と聞こえたという噺。
 中入りのあとはチャーリー・カンパニーの代演が牧田博。彼の芸は前にも見たことがあるが、キーボードの音がマイクに載るわけではないものだからいつも中途半端。今時はエレアコなんかでも直接接続できるのだからもうちょっとその辺も気にして欲しい。どうしても東洋館色がありありと出る。
 玉の輔も代演で、入船亭扇好。真田小僧。もう真打ちになって十年は経つ。
 正楽は次から次に声がかかって祭りだ、侍だ、嫁入りだ、四谷怪談だと忙しい。
馬生は今回は日替わりで噺を公表していて今日は「大山詣り」。