ほぼ足りてまだ欲 その先

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親方

 数年前まで住んでいた町内に結構その道の人(どんな人だよ、それって・・・)には知られたトンカツ屋があって、私が住んでいる場所を説明するというと、「あ、じゃ、あのトンカツ屋のそば?」と聴かれるというくらいだった。そのトンカツ屋のオヤジさんは全く知らないのだけれど、息子たちはうちの子どもの関係で知っていた。店の前を通りかかって中をうかがったらその息子が飛び出してきて挨拶をしてくれたなんていうこともあった。ところがどうも友だちの話を聴くとトンカツは旨いんだけれど、時としてオヤジが息子に小言を言いながらトンカツを揚げているんで落ち着かないんだという。そんな場に遭遇したら旨いトンカツも旨くなくなっちまうし、その息子も私の手前いたたまれなくなっちゃうだろうからと一度も暖簾をくぐったことがない。
 ある人の息子が昔京都の名の知られた料理屋に修行にいっていた。それは知っていたけれど、どんな店なのか知らなかった。先日京都に行ってきたといったら、なんという店に行っていたのか教えてくれた。その店をネットで検索したら、出てくる「口コミ」は面白い発想の料理が出て、高いけれど旨いというものばかりなんだけれど、それと一緒に出てくるのは「若い衆にきつい言葉を掛けるから雰囲気が緊張していてぴぃーんと張り詰めているようだ」と書かれていたり、「あれで旦那もいい人で・・」と書かれているところを見ると相当なようだ。私はじゃらじゃら喋りながらの料理屋はあんまり好きじゃないけれど、ぴりぴりしていてこっちがどぎまぎしちゃうのはもっといやだ。
 大きい店になると何人もの職人がいてその中の勢力図が見えてしまったり、なぁなぁの雰囲気が見えてしまうというのは最悪だ。そうなるとそこに存在する人間味がいやになる。しかし、それを含めての人間社会なんだろうけれどねぇ。