ほぼ足りてまだ欲 その先

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都立七生養護学校(現七生特別支援学校)

 充分知れ渡っているかどうかはなはだ心配ではあるけれど、昨日、東京高裁でひとつの判決があった。

 都立七生(ななお)養護学校(日野市、現七生特別支援学校)の金崎満・元校長(61)が、都教委から受けた停職1カ月の懲戒処分と教諭への降格処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は9日、請求を認めた1審・東京地裁判決(2008年2月)を支持し、都の控訴を棄却した。大谷禎男裁判長は「処分は裁量権の乱用で違法」と指摘した。(毎日新聞 2009年4月10日 地方版)

 この裁判は元校長への処分の取り消しを求めた裁判で、東京都教育委員会控訴しなければこの処分が違法だったということになるが、東京都教育委員会は「大変遺憾。判決内容を確認し今後の対応を検討したい。(大原正行・都教育長の話)(同紙)」といっているくらいだから控訴するということだろうと思う。
 じゃ、この元校長に対する処分というのはなにが原因で下されたものかというと、「適切な学級編制をせず、不正な教員配置を受けた」などだということだ。


 しかし、もちろんこの裁判はただそれだけの話ではない。
 養護学校で高校年齢の生徒、中学年例の生徒の間で性交渉があったという事実が判明し、それが小学生年齢の生徒にまで波及していたという事実があって、ではどのようにしたら知的障害のある子どもたちを被害者や加害者にならないように知識を与えられるかを工夫した教育をしてきた経過があって、それで身体を認識できるような歌を作ったり、先生たちが人形を作ったりしてきた。
 ところがその教育方法やいくつかの工夫された教材を驚くべき破廉恥教育と田代博嗣都議、土屋敬之都議、古賀俊昭都議が議会で指摘をした事から始まっている。
 こちらは旧教育基本法の「不当な支配」に当たるとして損害賠償訴訟が起こされている。こちらは先月東京地裁で都議3名と都教委に210万円の支払いを命じているが、むろんのこと控訴している。
 話がここからややこしくなるのは、破廉恥教育と書いた新聞、もちろんこれは産経新聞だけれども、を筆頭に安倍晋三やらそっち方面の人たちが間違ったジェンダー・フリー教育だ、として飛び跳ねて論評していることだ。なんだか古い日本の伝統を間違った方向に守りたい発想を持つ人たちにとっては一種の踏み絵のようなトピックになってしまって、本来的な、知的障害を持つ人たちに如何に安全な生活を送る術を身につけてもらえるか、という観点に基づいた教育を全く度外視することになってしまっている。
 じゃ、彼らはどんなことになってしまっても構わないというのかと問いたい気持ちになる。
 本件に関しては(若干ニュースソースを明らかにできていない点があるが)「こちら」が分かり易い。