「資源大手リオ・ティントと新日本製鉄が前年度比35%減で妥結に近づいたとの情報」が出ているのだそうだ。ならば中国はと見ると、一度掴んだ豪州炭のイニシアティブを日本に返す気は到底ないらしくて45%減を狙っているのだそうだ。これだと噸あたりUS$50.-程度かという。それでもそんな値段がしているのかと驚きだ。そんな時代に石炭を売っている担当者は愉しいんだろうか。それとも価格が上がっても変わらないのだろうか。中国も本当に強くなったものだと思うし、この20年で時代は恐ろしいほどに変わった。
かつてのことを知っている、覚えている、というのは何か意味があるのだろうか。「故きを温ねて新しきを知る」という言葉が残っていたのはただ単に時代に取り残されたしまった人たちの悔し紛れの言葉だろうか。歴史を知りたくなるというのはそれではなんだということになるのだろうか。今目の前にある食べ物そのものにはなんの繋がりがないとしても、人は過去を知りたがる。それは何に基づいているのだろう。
話は石炭に戻るけれど、日本では石炭はもう既に生産されていない。最後の炭坑も時限立法の補助金がなくなったところで閉山された。で、もうあとは輸入するだけなんだけれど、豪州やインドネシアから産出される石炭に頼っていて良いのか、という論理があって、経済産業省(未だに通産省の方がいいやすいなぁ)は「総合資源エネルギー調査会鉱業分科会クリーンコール部会」なるものを組織して日本の石炭を使ってエネルギーの再構築ができないかと考えているそうだ。当然経産省が組織した分科会だから経産省が計画したとおりの結果が導き出されるに決まっているが、それはここに出席している石炭を商売にしている企業がなんらかの企業活動として関わることのできる姿が描かれているんだろうと受け取るのが当然だろう。
この分科会の趣旨「主な検討課題として、地球環境に配慮したクリーンな石炭利用と国際協力、さらには安定的な資源の確保というような論点」(第一回分科会議事録から)。
メンバー
- 部会長 持田勲:国立大学法人九州大学産学連携センター特任教授
- 有馬雄造:東ソー株式会社常務取締役
- 伊藤浩吉:財団法人日本エネルギー経済研究所常務理事
- 猪野博行:東京電力株式会社取締役副社長
- 上前修:出光興産株式会社執行役員資源部長
- 榧野信治:読売新聞社論説副委員長
- 川嶋文信:三井物産株式会社執行役員エネルギー第一本部長
- 衣川潤:三菱商事株式会社常務執行役員 金属グループCOO
- 小林洋一:伊藤忠商事株式会社専務取締役
- 崎田裕子:ジャーナリスト・環境カウンセラー
- 嶋宏:新日本製鐵株式会社代表取締役副社長
- 末次克彦:アジア・太平洋エネルギーフォーラム代表幹事
- 竹内敬介:財団法人エンジニアリング振興協会理事長(日揮(株)代表取締役社長)
- 中垣喜彦:財団法人石炭エネルギーセンター会長(電源開発(株)代表取締役社長)
- 中西孝平:国際協力銀行特別参与
- 二瓶啓:日本製紙連合会常務理事
- 萩原なつ子:立教大学社会学部教授
- 廣江譲:電気事業連合会理事・事務局長
- 福江一郎:三菱重工業株式会社取締役副社長執行役員
- 堀井伸浩:国立大学法人九州大学大学院経済学研究院准教授
- 宮川世津子:国際機関APO(アジア生産性機構)工業部工業企画官
- 森邦弘:社団法人日本ガス協会常務理事
- 森崎孝:株式会社三菱東京UFJ銀行常務執行役員
- 山冨二郎:国立大学法人東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 (システム俯瞰学)教授
- 和坂貞雄:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構理事
- 渡邊穰:社団法人セメント協会会長(住友大阪セメント(株)代表取締役社長)
ちなみに総合資源エネルギー調査会のトップはJAPICと同様、新日鐵の三村明夫。