ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

道灌山下

 先輩にお借りしていたCDをお返しにあがろうとご連絡を差し上げたら叔父様が亡くなられたのだそうで取りやめに。それではと道灌山下にある「古書ほうろう」にいって見ようという気になった。
 このお店は道灌山下交差点近くにあるので、バスに乗って前を通り過ぎることはしょっちゅうだったのに、降りるきっかけがなくて首を突っ込んだことがなかった。先日動坂下の「動坂食堂」にアジフライを食べにいった時に、こりゃ良いやと向かってみたらあいにくと定休日の水曜日だった。前にもこのあたりを歩いた時がやはり水曜日で開いていなくて、あそこの古本屋さんと私は相性が悪いのだろうなと半分諦めていた。
 向かう途中のバスは西日暮里一丁目あたりを通ってくる。その途中にあるのが息子が水泳で大活躍している北島康介の実家、「肉のきたじま」である。先日通った時は殆ど人はいなかったのだけれど、今日はおじいさん、おばあさんが集まっていて、写真を撮りたいくらいの人だかりになっていた。メンチカツが名物になっているというが、そろそろ食堂も開いて貰いたい。冗談だけれど。
 「古書ほうろう」は期待通り開いていて、生まれて初めて入ることができた。予想よりも奥行きがあって、その奥が事務所になっているようだ。奥の芸能書がある棚に囲まれた一角はテーブルがあって、その上にはチラシが並んでいるけれど、それをどけたらすぐに呑み会のテーブルになりそうで、便利この上なさそうである。
 入ってすぐに「谷根千」のバックナンバーが並べてある棚があって、なるほど、これが噂の雑誌だったのかと思って手に取ってみたが、活字のフォントが結構小さい。店内を一渡りまわって、文庫本の下の方を丹念に見ていると、そこに人品卑しからざる男性が入ってこられたなぁと思ったら、店番の方が「羽鳥さんがお見えでぇ〜す!」と仰る。(えっ!?)店の奥に行かれたあとにその店番の方に思わず「あの方が羽鳥さんですか?」とお伺いしてしまった。やっぱり家から出て足を運べば様々なことに遭遇することができるんだなぁと今更ながらの想いである。店内を二回り半ぐらいしたところで、辞する。

  • アメリ強制収容所—屈辱に耐えた日系人 (1973年)」政治広報センター刊  Michi Nishiura Weglyn著、山岡清二訳。著者は日系二世米国人。1926年カリフォルニア州Stockton生まれ。テレビの世界の衣装デザイナーとして活躍。1968年に引退してから日系人の世界を研究。日本語で先に1973年に出版され、英語で米国で出版された(「Years of Infamy」)のはその後の1976年というが、そちらは2000年にUniversity of Washington Pressからupdated editionとして再出版されているそうだ。この本の存在は全く知らなかった。
  • 良心的兵役拒否の思想」岩波新書 720 阿部知二著 1969年
  • 「学徒出陣の記録 あるグループの戦争体験」中公新書 167 東大十八史会編 1968

 上野松坂屋前行きのバスで広小路に出る。先日歩いたルートだ。あっという間である。千円床屋に寄って思いっきり刈る。出たら風邪を引くんじゃないかと不安。

 テレビ東京の「和風総本家スペシャル - 日本を支える人々・下町編」を見ていたらここしばらくお逢いしていない隣町の奥さんが映っていて連れ合いとふたりでお名前を思わず叫ぶ。