ほぼ足りてまだ欲 その先

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可視化

 冤罪事件の報道を見るにつけ、民主党小沢一郎関連に関する検察の取り調べ、元福島県知事佐藤栄佐久に対する検察の取り調べを見ても、そして起訴された事件の99%が有罪になっているこの国の司法現場を考えると、その中身に疑問を持たざるを得ないのは既に自明である。
 政権が自民党から変わってこれらに対する対策は画期的に変わるのかと思って期待を持ってみているのだけれど、いっかな表面に現れてこない。
 そう思っていたら6月18日付けで「取調べの可視化に関する今後の検討方針について」というものが法務省の報道発表資料としてアップされている(こちら)。
 これを見ると、2000万件と数が多く、しかも裁判過程ではその膨大な時間をその閲覧に費やすことになるから現実的ではないという中間報告のようである。
 そんなことを云ったらいつまでも自白強要が幅をきかせていってしまうのは眼に見えている。そうだからこそ必要なんであって、これを議論のポイントにしてしまうのだったらなにも検討しないのと同じだ。
 まるで、これだけ夜間にライトをつけずに走っている自転車がいるのだから、とても取り締まりなんてやってられないというのと大して代わりがない。
 社会保険庁がいい加減にしていた年金の資料は丹念に調べていくのはきりがなくて、もう分からないものがあるからしょうがないといっているようなものだ。
 捜査の現場が信頼に足りる行動を取っていさえすれば、可視化なんて問題にならなかったかもしれない。それが問題になっているのはそれに信頼が置けていないからだ、ということが分かっていない。
 霞ヶ関はやっぱり自分で自分たちを規制していくという観点がもてないという点で、相当に未熟だ。