ほぼ足りてまだ欲 その先

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失業率

 日本の失業率は米国や他のOECD各国と較べるとまだ低い数字だという。しかし、随分前から指摘されながらもいっこうにそれが調整されない。それは実際に他国と同様の計算式によって比較されると、これまでに考えられないような数字となって現れてしまうからだといわれている。
 なんで日本の失業率は低いのかというと、計算式の分子と分母の規定が違っているからに相違ない。
 わが国の計算の場合「完全失業者」というのは、「まったく仕事がなくて」,それでも「今すぐに就業が可能で」,「今正に走り回って仕事を探して」いる人と非常に厳格に規定している。
 「仕事がない」というのは、月末の1週間という調査期間に1時間でも仕事がないことだし、職があれば即就業しなくてはならないし、「仕事を探して」いるというのは調査期間の一週間に求職活動をしていなくてはならない。
 つまりちょっとした2-3時間の臨時仕事をやっただけでももうダメだし、なにも金がなくても仕事を探す(つまりハローワークに通う)ことができる状態にある人なわけで、実際には背に腹は替えられずその日暮らしの派遣で喰っている連中はこの範疇に入らない。
 労働者派遣法を改悪して労働する側を平気で不利な労働状況に落とし込んだままにしておいて、数字の上ではなにも救う手だてを払っていないのが霞ヶ関であり、それに乗っかったままの政府だということができる。
 「完全失業者」という定義の中に最も恵まれていない状況にいるものが含まれているような気がするけれど、実はこの定義で表すことができる人びとというのはまだ恵まれた人だ、というのはなんだか笑えないんだよ。
 しかも、他国では正規労働に関する職数と非正規労働に関する職数とにまできちんと分けて統計を出して報告している国もある。この国ではやっぱり今でも正しい状態を国民に知らせてはならないと思っている霞ヶ関に振り回されているのだ。