ほぼ足りてまだ欲 その先

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いじめ体質



 大日本帝国陸軍はとにかくいじめ体質を温存してきた。
自分がやられたから、自分もやってきた。
そうやって古参が新人を、体力的にも精神的にもいじめることで、兵隊は強くなるとでも思っていた。
もちろん私は大日本帝國陸軍にいたことがあるわけではないから現場を知らないし、知っているのも映画の中での話だったり、小説や歴史のオーラルヒストリーの中でしかないけれど、それでもどうやら当時は、軍隊はそうしたもんだ、という感覚で満ち溢れていた。
米軍でも、少なくとも海兵隊は相手に憎しみを持つことで士気を鼓舞してきた。それは兵隊だけじゃなくて、フットボールのようなフィジカルに戦うスポーツの世界でもそうだった。「倒せ!」と鼓舞した。
つまり、戦争のために集められる兵隊はとにかく相手を憎んで憎んで憎み倒す気持ちにさせなくてはやっていけない。
戦争中は、それが兵隊だけではなくて、一般の、いわゆる銃後の守りの中でも、それをどんどん浸透させていく。
「何をたるんだことをいっているんだっ!」と怒鳴り散らし、「兵隊さんに申し訳ないではないか!」と怒鳴り倒した。その間、その兵隊さんも怒鳴り倒されていた。
 そんな環境で育った世代が、いくら戦争が終わったあとなんだといっても、身に染みついたものをそう簡単に拭い去ることはできなかった。その環境はずっと継続されてきてしまった。見て見ぬふりをしてきた。「いじめだとは思わなかった、ふざけているのかと思った」と逃げる。

 民族に染み付いた文化はそう簡単には拭い去れない。意識をして拭い去ろうとしなければ、消えていかない。それは差別でも全く同様だ。