巻頭にも書かれているように、李香蘭、すなわち山口淑子に関する著作というものは驚くほどいっぱいでていて、当時、彼女に対する関心は高かったんだろうということが推察される。私自身は結構美人なおばさんが、自民党から芸能人枠から参議院に出たんだなという程度だった。それが文庫になるのを待って読んだドウス昌代が書いた「イサム・ノグチ」で、彼女がイサム・ノグチと結婚して、北鎌倉にあった魯山人の家に暮らしたというのを知って、にわかに興味を持ったのだった。
自著も1987年に「李香蘭 私の半生」、1993年に「戦争と平和と歌 -李香蘭心の道」、2004年には「李香蘭を生きて」(日経紙上の「私の履歴書」の総集編)と出ていて、その他にも他の著者によるものがたくさんある。