ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

銀座

 渋谷で明治通りと山手線を渡るとタワーレコードだったから(多分生まれて初めて)入って、The Hangoversの「The Portable Terminus」という去年出たCDを買った。サークルの後輩のバンドだ。ちゃんと聴いたことがなかったものだから、このチャンスに入手。
 飯は新橋あたりにサラリーマン相手の店がたくさんあるはずだからと見当をつけて、新橋駅前ビルの地下に降り立つと、「魚がし日本一」というチェーン店があって、そこに「イナダ丼580円」という看板を見付けて勇躍入った。ここの店は通常のランチメニューには味噌汁と、茶碗蒸しがついてくるらしいのだけれど、このメニューにはさすがについていない。ところが運んできたお兄さんはお盆の上に茶碗蒸しも載せて持ってきて、私の前に置いてから気がついて、茶碗蒸しとスプーンを持っていっちゃった。私は悲しかったのだった・・・トホホなんである。
 安いんだからしょうがないのであるけれど、ここまで薄く切らなくても良いんだよ。
 さて、新橋で降りたのは何もこれを食べるためではなくて、銀座伊東屋に赴いてペン先を机にぶつけてしまったペリカンの万年筆が直るものかどうか見て貰うためなのだ。それだったら銀座線を銀座まで乗れば良さそうなものだけれど、実は新橋で降りれば160円なのであった。ふふふ。それに、6丁目から西の中央通りを歩くことが滅多にない。丁度良い。それで気がついたのはなんとあのクリスタル・グラスのSwarovskiの店なんてのができているのだった。普通に銀座を歩いている人には既知の話なんだろうけれど、都会の谷間に住んでいるとそんなことは知らないのだ。
 ヤマハの向かい側あたりで、また例によって地面に映る影を写真にしたりしていると、何人だかわからない白人の若者が寄ってくる。なんだろうと思っていると、英語で日本人か?と聞く。そうだというと日本語で、「私はウクライナから、日本の勉強に来ています。これを買って下さい!」と小さな箱を開ける。そこにはグッチャと小さな人形が詰まっている。「いやいや、良いよ!」というと、彼は私に歯をむくようにして大きな声で「頑張って!」といったのである。どうも「頑張って」という言葉の意味をちゃんと知らないのではないだろうか。あたかも「憶えてろ」とでもいうようなニュアンスである。私がやり過ごすと、後ろの方でまた外国人独特の「すみません!」という声が聞こえていたから誰か他の爺さんにとりついているんだろう。昔はこうして語りかけるのはモルモンの青年達の「英語の勉強しませんか」の専売特許だったのに。
 伊東屋さんに入って万年筆の相談をして、昔あったオリジナルのはがきというのは結局山櫻に外注していたので、同じなんだという説明を聞いて、地下鉄に乗って帰ってきた。ちょっと歩くと、家について直ぐに眠くなるのはやっぱり加齢現象のひとつかな。