ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

Phoebe Snow死す

 彼女のレコードを最初に聴いたのはSan Francisco Bay Bluesの入ったLPではなかったかと思う。それが彼女のデビュー・アルバムだったのかどうかは定かではない。もうかなり前のことだ。彼女のこの曲はThe Brothers Fourの歌ったあの曲には似ても似つかない様なとてもブルージーなものであった。とても真似して歌ってやろうと思うような簡単な唄いではないのだけれど、心に沁みてくるような歌声である。そこからどんどん彼女が出す新譜は全部網羅してきていた。

 1978年頃だったか、彼女が遂に日本に公演にやって来るというニュースが飛び込んできた。とても楽しみにしていたのだけれど、彼女の娘が脳に疾患を持っていて、手術をすることになったので、中止となってしまった。それから彼女の名前を聞かなくなった。1994年だと思うけれど、Woodstock Festivalの25周年記念野外コンサートが場所こそ違え、開催されて、日本ではNHKがなんと生中継をした。そこに4人の歌手が一緒に出演したユニットがいて、ヘッドホンで聴いているとそのうちのひとりがどうしてもPhoebe Snowそのものだった。確かに随分太ってしまっていたけれど、その瞳はまごう事なきPhoebe Snowその人だった。
 しかし、それからまた彼女の名前を目にすることもなかったし、日本では彼女が特集されることも殆どないし、聴くこともなくなった。2007年のことだ。突然彼女の名前をどこかで目にして、何事かと思ったら、そのお嬢ちゃんが31歳で亡くなったというのだ。1976生まれだったことになるから、彼女は生まれたときから既に脳に疾患を持っていたということだろうか。そして、その娘が死んでから4年後にPhoebe Snow自身がくも膜下出血に伴う合併症でこの世を去った。彼女は昨年初めにこの病で苦しんだという。Rest In Peace, Phoebe・・