都会といってもウィーンは人口は僅かに171万人といわれている。しかし、中心の観光地（ほぼ中心は全部観光地といって良いだろう）はもうごちゃごちゃで、それが良いともいえるし、汚いともいわれる所以ではある。地方の田舎からそんな街に帰ってきてからというもの、それまで嘘のように治まっていた、咳や、咳払いや、痰の絡みなんてものが復活した。イヤな復活だ。これが東京に帰ってくると、全く元の木阿弥に戻ってきてしまった。如何に私達は汚い環境で暮らしているのか、ということを身をもって実験をしているようなものである。
ウィーンという街はあくまでも、どこまでも外国人を中心にシステムが作られている観光地なんだなということが身に沁みてわかる。外国人にどうだ、見たいだろう、こんな素晴らしい時期がこの国にはかつてあって、戦争で受けたダメージも含めて今やここまで復興したんだぞ、とがっぽがっぽと金を集めていることには舌を巻く。
日本はと振り返ってみると「Yokoso Japan」なんちゃっているものの、実態は外国から来る観光客を徹底的に取り込むことに尽力しているのかといったら、まさか、本気でやっているんだなんて主張するんじゃないだろうなと思わせる程度に大したことがない。その気にさせて金を巻き上げるというシステムが作られていない。
