ほぼ足りてまだ欲 その先

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沢村貞子

 昨日のラジオ深夜便で平成7年12月に放送された沢村貞子の話が再放送された。
 彼女は母親の話をしたのだが、「今度の(平成8年)11月で私は88歳になるのよ」といった。ウィッキペディアで見ると彼女はその年の8月16日に他界している。
 とってもしゃきしゃきと話していて、その年になくなる人とはとても思えない。入れ歯が邪魔くさそうな話し方ではあったけれど、如何にも浅草育ちの婆さんの話ッぷりだった。
 なにしろお兄さんが沢村国太郎で、弟が加東大介であり、沢村国太郎の息子が長門弘之と津川雅彦という一族だ。親父は色男の傍若無人男だったそうで、遊び放題だったけれど、歳取ると「かあちゃんかあちゃん」と寄りかかっていやがった」んだそうで、どうもどこかで聞いたような話だ。
 実は私は生前の沢村貞子はちょっと苦手だった。どうしてなのかというと、こういうガチャガチャして、眼がぎょろぎょろした、下町の婆さんはうるさくってたまらないんだよ。
 でも、そういう人たちの存在が社会の規矩ってものを作り出して構成しておったんだろうなと思っている。そんなものがとっくのとんまに雲散霧消して、世の中「別に誰かに迷惑かけてるわけじゃねぇ」と居直るガキどもを許すようになっちまったのである。
 ま、はっきりいってしまうと私達の年代が、その若者に媚びるような笑みを唇の端に浮かべながら「ン?良いんじゃねぇの、ウヒヒヒ」とかいっていい加減にしてきた元凶なんである。