ほぼ足りてまだ欲 その先

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考える人 2012年 11月号 [雑誌]

考える人 2012年 11月号 [雑誌]

 何度でも書くけれど、あの週刊新潮という愚にもつかない週刊誌を発行している新潮社が出しているのだとはとても思えない季刊誌がこの雑誌である。これは11月号ということになっているけれど、季刊誌なのに、その言い方はおかしい。本来的にはやはり「秋号」だろう。それはAmazonだけがそうしているのかも知れない。この雑誌の表紙にはNo.42 2012年秋号としてある。
 今回の特集は「歩く」で、副題に「時速4kmの思考」となっていて巻頭は沢木耕太郎と若手探検記作家の角幡唯介の対談なのだけれど、沢木は私と同じ年齢のはずで、ひょっとすると中学が一緒ではないかという気がするのだけれど、掲載された写真に写っている沢木は驚くほどに若い。いや、私が必要以上に老けているというのもあるけれど、それにしても彼は若い。まるで40代の若造に見える。相当に鍛えているのか、根っからの良い格好しいなのかも知れない。現代邦楽の東儀秀樹みたいな感じだ。白いシャツの襟を立ててないだけまだましか。
 かつてこの種の憧れ病にかかったことのある多くの元青年たちと同じように私もその種の感性に「男」と「人生」を感じ取っていたことがあるから、読んでいてとても面白い。まるでジョン・クラカワーの「荒野へ」につながる。しかし、それにしても、そうした足跡を残すことに成功した諸兄が羨ましいものだ。とはいえ、自分でそれを放棄したのだから仕方がない。私は違う方法で楽しみを実現していきたいものだ。