ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

G20

 「通貨安競争」という表現を今まで知らなかった。自国通貨をどんどん安くしていっちまえば輸出産業はころっと決算が黒に変わっちまうわけで、これを指摘されちゃって焦った麻生太郎は「こんなもなぁ一切ないわけで、そういう声が多かった」と日本語で日本マスコミに語ったわけだけれど、これを聴いて即思ったのは、麻生太郎が言う「多かった声」というのは一体何時、誰から、麻生太郎が聴いたというのかという話である。
 トヨタを筆頭にした自動車産業を中心にした輸出産業は自社のことだけを考えて主張を自公連立政権に対して振り回せばいいわけで他のことなんぞ知っちゃいない。彼ら自動車産業を支えているのは、鉄鋼産業や電力会社だけれど、彼らは輸入産業であって、原価は円安に伴ってかさむばかりということになる。その上そうしたリソースの需要は中国が益々参入してきて値上がりするばかり。じゃ、その分自動車産業は補填するかといったら冗談じゃない。つまりこの円安は自動車産業の要求に応えることによって、その裾野産業を苦しめるだけの話で、これは国家全体の状況を見ているとはいえないだろう。
 つまり、グローバル化という声、規制緩和というイメージが時代の先端を行くような錯覚に陥るのだけれど、それはこの国を世界に売り飛ばしているということでもあるのだ。それで良いとそこに暮らしている人たちがそう思っているのだったらそれで良いのだろうけれど、それをそれとして認識させないようにして一部の企業の利害を確保するためにこの国を売り飛ばすのは許されない話なのだ。