ほぼ足りてまだ欲 その先

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和食

 今政府は和食を世界に知らしめ、日本のおもてなしを宣伝するんだといっている。本当の和食というのは一体何だろうか。私が常日頃食べているのは和食だろうか。和の味付けになっているんだから和食だといって良いのかも知れないけれど、実際に家で食べているものを記録に残してある写真をずっと見ていると、あぁ、これはまごう事なき和食だ、というのは魚を焼いて、お浸しと漬け物と味噌汁って奴だろうか。カレーライスだとか、ラーメンだとか、餃子を焼いたとか、シュウマイを蒸したとか、豚肉の生姜焼きにしたというのは、あれは和食というのだろうか。多分いわないだろうなぁ。
 家ではもう天ぷらなんて揚げることは二年に一回位しきゃない。なんたって油の始末が面倒くさい。昔だったら新聞紙に吸わせて裏庭で落ち葉と一緒に燃やしたってなんちゅうことはなかったけれど、今はもうそんなことはできない。
 家でバラ寿司とはいえ、酢飯をうちわで扇いで作ることもなくなった。すき焼きなんて年にホンの1-2回だ。それももはや脂のできるだけないところを選ぶ。朝飯に干物を焼くなんてことは金輪際ないし、玉子焼きなんて考えもしない。そんなものはもはやどこか高級旅館にでも泊まらない限りないし、安い温泉旅館だったら朝飯バフェで食べるくらいだ。それは解凍したような玉子焼きで、小さな干物だろう。たまに外で海鮮丼をそっと人に隠れて食べるくらいが私の「和食」の限界か。
 「和食」だといって海外でコシノジュンコが出席して宣伝、というようなニュースを見たことがあるけれど、もう随分あの種のものを食べたことがない。
 そりゃ京都の高級料亭でも行けば食べられるのだろうけれど、そんなところには金輪際行く余裕は生まれてこないだろう。そういえば料亭という存在だって、そろそろ存在しえなくなってくるのではないのか。実際、向島では古い料亭がまたひとつ店を閉めた。
 となると、そんな「和食」はごく一部に「そんなものがあるんだってねぇ」と残るということになるのだろうか。だから、政府が支援して残すということになるのだろうか。こうなると「和食」と共に護っていかなきゃならないものとして「芸者」ってものもついていくことになるのだろうか。幇間なんてもうほとんど絶滅したに等しいだろう。
 話はあらぬ方向に行ってしまいそうだ。