先日ツイッターで、タスマニア・ホバートの港にあった「おりづる」という鮨家が既に店を閉めていたことを知った。何回か足を運んだことがある。
勤めていた企業がホバートの近郊にあったアトランティック・サーモンの養殖企業に出資していたことがあって、仲間がひとり駐在していたことがある。シドニーからクリスマスの休暇で遊びに行って、ひとり暮らしをしていた若い仲間のところへ泊めて貰い、彼がその店に連れて行ってくれたのが最初だった。その時はクリスマス休みで、若いご主人が蕎麦を打っているところだった。なにしろタスマニアといったら日本の企業が蕎麦を栽培して貰っていたことで知られていた。そういえばタスマニアの蕎麦粉のことを最近は聞かない。丁度収穫が日本と反対になるので、日本向けには丁度良い、という話を聞いたものだ。その蕎麦粉を使って蕎麦を供していた店がその頃のシドニーにはあった。
家族で休みシーズンに出かけていって、食べに行ったこともある。その後、ひとりで行った時にも食べに行った。普通だったら私は外国で日本食を食べることはほとんどないのだけれど、縁があったものだから、チャンスがあれば食べた。そういえば最後にホバートへ行ったときには寄らなかったような気がするが、あれはいつだっただろうか。スモークしたサーモンを握って出していた。イヤそれはないだろうと思ったのだけれど、食べてみたら結構美味しくて驚いた。
また、ここでもひとつ私の思い出がなくなった。人はこうして様々なモノを得、そして様々なモノを失って、退場していくのだろう。