ほぼ足りてまだ欲 その先

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パンダ帽浅草事件

 昨日、東京地裁で判決があった。犯行時は心神耗弱で責任能力がなかったという弁護側の主張は認められず、求刑通りの無期懲役判決であった*1。この被告は普通の小学校を卒業したけれどその後は養護学校に通っていた。当時は自閉症の典型例とは彼は異なると見られてはいたけれど、実際にはその延長線上にあるアスペルガー症候群や高機能脳障害や発達障害という考えが広く普及していなかったことが彼を的確に捉えられなかったのが実際のところであろうと、当時の養護学校の先生が書いている*2。判決には「被告には軽度の精神遅滞自閉傾向があるが、完全な責任能力があり、確定的な殺意を持って犯行に及んだ」と述べられている。しかし、月刊誌「創」によれば、タクシー運転手の目撃談や、調書に記載された被告の自白とされている「自分のものにしようと思った」という言葉の奇異感は拭えていない。被害者が殺されてしまったことは揺るぎない事実である。19歳の娘をこんなことで突然失ってしまった両親にとってはその後どんなことが出現しようとその悲しさ、寂しさ、わびしさは救いようがない。しかし・・・・。

*1:朝日新聞 2004.11.26 夕刊

*2:月刊誌「創」12月号 p.65 創出版