こんなに沢山の人たちが一晩で死んだ。それも焼け死んだ。水死した。紅蓮の炎に恐れおののきながら呑み込まれて死んだ。熱い！これじゃだめだ！と思いながらも焼けてしまう。焼けながら橋から飛び降りて「天皇陛下、ばんざぁ〜い」と叫びながら死ぬ。逃げても逃げても炎に終われ、ついに、あぁ、もうだめだぁ、といいながら死ぬ。プールに逃げたらあとからあとから人が入ってきて、油断をしていると背の立たないところに追いやられてしまうから人を押し返し歩き続けていた。そのプールから妹が死んで見つかった人がいる。大本営発表「宮内庁は2時半に鎮火。他は8時までには鎮火」のみ。「焼夷弾、恐るに足らず」の結果。この作戦を立案実行した米軍将校が悪いのか。誰が悪いのだろう。
