ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

山に行く

 朝6時に起きる。準備を簡単にすましたつもりだったけれど結構寝ぼけていたらしくてやることがなかなか終わらない。猫は何となく様子がおかしいと思っているらしく、落ち着かない。レンタカーを受け取りに行くと、カンバン方式会社のVitzの新車だという。まだ1000kmそこそこしか走っていない。昔だったら、これくらいの距離数では「慣らし運転」とかいって、どこまでどう酷使して良いのかわからなかったんだけれど、今はそんな事はいわないのかも知れない。この車が意外と車幅間隔がとりにくい。左の前が感覚としてとらえにくい。赤信号で止まるとエンジンが止まる。つまりアイドリング状況の時にエンジンが自動的に止まってしまう。そしてブレーキから足を離すとエンジンがまわる。これは慣れないと不安だ。なにしろ右折をしようと対抗の直進車が途切れるのを待っている時にエンジンが止まるのはいったい自分はこの間隔で曲がりきれるのかと不安になってなかなか曲がれない。それにしても座るなり簡単に運転できるというのは車としての完成度が高いといえるのだろう。

 一路両親の墓に向かう。お盆の時に姉が来たと云っていたので掃除するまでもなく綺麗になっていた。墓石の横に百合が二輪咲いていた。この百合はどうしたんだろう。誰かが植えたのだろうか。菩提寺から預かってきた塔婆を立てる。いただいた白檀の線香がとても良い香りだ。昨年はここから八王子に出るのにずいぶん渋滞したりして時間がかかった記憶があったので、今年は東名を使って御殿場から山中湖、河口湖、精進湖経由で行こうと決めた。この季節の御殿場出口はダメだと云う事を全く忘れていた。ここで思いっきり時間を費やしてしまった。山梨の川沿いではなぜか道路工事をしていて車の列は遅々として進まずだったし、ようやく連れ合いの両親の墓についた時は結構良い時間になっていた。途中で買った菓子パンを齧ったりしてあんまり大したものを食せず。
 いつもお寺の裏の急峻というべき墓所の階段をえっちらおっちら水桶を抱えて上がることに耐えられず、裏山から来るまで接近できるという話を聴いていたので、今回はおそるおそる裏山の細い道を行く。結果成功して今年は楽をさせてもらった。いつ来てもここから見る景色は日本の故郷の景色そのものである。山、川、木立、風、蝉の声。いうことなし。連れ合いのおふくろが死んでから満10年、おやじさんが死んでからでもすでに6年が過ぎた。

 佐久甲州街道に入って最高地点という野辺山に来た時には腹が減り、お焼きとそばを食べた。近年お焼きのステイタスはどんどん全国的に高まっていて(それは大げさだけれども)、ここのおやきはおいしかった。ちなみに今のところ最もおいしかったお焼きは上田城のそばにあった友人お勧めのところのもの。最もコストパフォーマンスが高かったのは中軽井沢の大人気スーパーTSURUYAの99円もの。
 佐久平の駅近辺に来た時にはもうすでに17時半を超えていた。ここでようやく姉に送る郵便物を投函できていなかった事に気づく。あわてて郵便局に駆け込んで送る。家を出てからすでに9時間を超えている。さすがに疲れてくる。二人とも口数が少ない事がその証しといえるだろう。人混みにわんわんしている中軽井沢のTSURUYAスーパーに寄って当面の買い物を済ますが、それにしても疲れていて何を食べようかとなんの発想も出てこない。とにかくうどんでも食えばよいのではないかと買い物。友人宅に向かおうと真っ暗になったバイパスに出るとその正面にとんでもなく大きな満月がのぼるところだった。こんなに大きな月を見たのは久しく記憶がない。なんだかホッとするような景色である。友人は夕食の準備をしているところだったが、とにかく鍵を借りて辞する。とにかく疲れ果てた。うどんをすするとなんと夜9時には二人とも寝入ってしまった。